【まとめ】IoTで社会をもっとよくするアイデア8選

Browse By

今、世界ではあらゆる「モノ」がインターネットに接続されようとしている。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)という言葉もだいぶ普及してきたが、家電や家具だけではなく車から家にいたるまで全てのモノがネットワーク上でつながり、私たちの生活をより快適で便利にしてくれる時代はそう遠くない。

Gartnerによると、2017年にはインターネットに接続されるモノの数は2017年に84億台に達し、2020年間までにその数は204億台になるという。今や世界人口よりもIoTデバイスのほうが多い時代なのだ。

IDEAS FOR GOODでは今年もこのIoTテクノロジーを活用して環境や社会課題を解決する取り組みを数多くご紹介してきたが、本日はその中から特にユニークな記事を8つご紹介したい。

01. 従業員の健康を支援するハーマンミラーのスマートオフィス家具

進化するハーマンミラー。アプリで従業員の健康を支援するスマートオフィス家具

高級オフィス家具ブランドとして知られるハーマンミラーが開発したのは、従業員の健康を管理してくれるスマートオフィス家具だ。アプリと接続することで椅子に座る人のデータをリアルタイムで取得し、作業状況を分析して姿勢を正すよう促したり、最適な作業ポジションを教えたりしてくれる。

02. 都市の空気清浄機。ドイツのIoTグリーンウォール「City Tree」

都市の空気清浄機。ドイツ生まれのIoTグリーンウォール「City Tree」

ドイツのスタートアップ、Green City Solutionsは、都市に暮らす人々がよりクリーンな空気を吸って健康的に過ごせるよう、植物とIoTを組み合わせたグリーンウォール「City Tree」を開発した。ウォール一面を覆う苔は街の空気を浄化し、内部に組み込まれたIoTは周辺環境の情報をデータ化して分析するだけではなく、全自動で苔に水や栄養を供給してくれる。

03. 家庭の食料廃棄を減らす冷蔵庫用スマートワイヤレスカメラ

家庭の食料廃棄に終止符を。冷蔵庫の中身を教えてくれるスマートワイヤレスカメラ

ロンドンのスタートアップ、Smarterが開発したのは、どんな冷蔵庫にも設置できる世界初のワイヤレス小型カメラ「FridgeCam」だ。このカメラは独自のトラッキング技術を用いて冷蔵庫の中身を識別できるよう学習する。FridgeCamを設置すれば、ユーザーはアプリを通じて外出先のどこからでも冷蔵庫の中身を確認することができるほか、食品の消費期限が近付けばスマートフォンで自動通知も受け取れる。また、冷蔵庫の中にある食料で作れるレシピの提案もしてくれるうえ、アプリのGPS機能でユーザーが地元のスーパーマーケットの近くを通りかかるのを感知すれば、なくなりかけている品物を買い足すためのリマインダーリストまで送ってくれるという優れものだ。

04. ゴミを自動分別してくれるポーランドのIoTゴミ箱「bin-e」

努力よりもテクノロジー。ゴミを自動分別してくれるポーランドのIoTゴミ箱「bin-e」

ポーランドのBin-eが開発したのは、IoTを活用した自動分別ができるゴミ箱だ。Bin-eは投棄されたゴミを感知すると、そのゴミの種類を自動判定し、ゴミ箱の中の特定のエリアに仕分けをして圧縮する。また、Bin-eはクラウドに接続されており、ゴミ箱がいっぱいになると廃棄物回収会社へそのデータを送信してくれるという仕組みになっている。

05. 乳幼児を大気汚染から守るIoTクッション「Brizi」

ベビーカーの高さが最も危険。乳幼児を大気汚染から守るIoTクッション「Brizi」

Briziは、ベビーカーに設置することで乳幼児を大気汚染から守ってくれるIoTクッションだ。子どもの頭周辺をぐるりと囲むクッションには高機能ファンフィルターが埋め込まれており、このフィルターが空気中の有害なガスや微粒子を検出し、子どもが呼吸をするゾーンの空気から汚染物質をろ過し、清潔な空気を送ってくれる仕組みとなっている。

06. ソーラー発電するブラインド「SolarGaps」

電気代を70%節約。ソーラー発電するブラインド「SolarGaps」

「SolarGaps」は、高品質のソーラーセルを用いて発電してくれるブラインドで、電気代を最大70%削減できる。太陽の位置に合わせて自動的にブラインドの角度を調整し、太陽光を効率的に吸収するほか、Google HomeやAmazon Echoなどの音声デバイスとの連動により簡単な操作で太陽光を調整してくれ、室内の自然冷暖房機能も果たしてくれる。

07. IoTでコーヒーカップをシェアするロンドンの「Cup Club」

ロンドン発、IoTでコーヒーカップのシェアリングを実現する「Cup Club」

ロンドンの「Cup Club」は、コーヒーカップの廃棄を減らすためのシェアリングサービスだ。RFIDタグとIoT技術の組み合わせによりコーヒーカップの現在地を追跡できるようにし、カップを返却するユーザーにリワードを提供する仕組みを作ることで、ユーザーがプログラムから離脱することを避けている。

08. AIでオフィスを快適にするグリーンウォール

NaaS(Nature as a Service)という選択。AIでオフィスを快適にするグリーンウォール

フィンランドのスタートアップ、Naavaが開発したのは、AIとIoTを活用した完全自動による空気清浄、給湿、室内植物といった多くの機能を兼ね備えたユニークなグリーンウォールだ。オフィスに設置することで室内の空気を綺麗に保ち、職場の生産性を高めてくれる。「Naas(Nature as a Service)」というユニークな発想でサービスを提供している。

まとめ

上記の事例を見ると、IoTテクノロジーは私たちの社会をよりよくする大きな可能性を秘めていると実感させられる。世界中のモノがインターネットでつながることは、同時にサイバーセキュリティ上のリスクがかつてないほどに高まることも意味するが、セキュリティ面をしっかりと担保しながらテクノロジーを正しい方向へと活用していけば、これまで解決が難しかった多くの課題も克服できるだろう。IDEAS FOR GOODでは今後もIoTを活用したユニークなアイデアを積極的に取り上げていきたい。

FacebookTwitter