1ユーロで家を販売。イタリアにある小さな町の過疎化対策

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もしも将来、外国の田舎町でのんびりと悠々自適に暮らすことを夢みているのなら、それは案外すぐに実現できるかもしれない。イタリアのオッロラーイという歴史ある町で、石でできた伝統的な古民家がなんと1ユーロ(約135円)で販売されているのだ。

オッロラーイは、地中海に浮かぶサルデーニャ島の山間部に位置する小さな町である。冬が短く1年中暖かい典型的な地中海性気候で、多くの観光客を惹きつけるこの町だが、小さな町ならではの問題も抱えている。ここで生まれた若者の大半が仕事を求めて大都市に流出しており、町の少子化が深刻化しているのだ。

過去50年で人口は半分に減り、それに伴って空き家も増加した。かつてサルデーニャ島の山岳地帯の中心地として栄えたこの町には、今では荒廃して誰も住んでいないような古民家が200戸以上もある。

こうした過疎によるゴーストタウン化を防ぐために生まれたのが、購入者が3年以上家の修復にコミットするという条件つきで、1ユーロで石造りの家を販売するというアイデアだ。オッロラーイ市長は、老朽化してボロボロになった家を市場に出すことを呼びかけた。

Image via case a 1 euro a Ollolai

「私たちの町は、先史時代までさかのぼる町の起源を誇っている。」と同市長は語る。「私の使命は、この町のユニークな伝統を忘れ去られないようにすることである。」オッロラーイでは、いまだに地元の羊飼いが羊のチーズを売ったり、職人がバスケットを手編みするような伝統が残っている。

物件を1ユーロで売り出してからは世界中から100件以上の物件購入希望が届いており、現時点で3戸が売却された。

もし都心の生活に疲れ果てたら、この町の名産品であるチーズに舌鼓を打ちながら、イタリアの眩しい太陽のもとで、のんびりと暮らすのもいいかもしれない。このプロジェクトにより、町は住民を増やすことができ活性化する一方で、住民は念願のスローライフを手に入れるというWin-Winの関係を築くことが可能なのだ。

【参照サイト】case a 1 euro a Ollolai

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