4月22日はアースデイ(World Earth Day)。もともとアメリカのG・ネルソン上院議員が1970年にこの日を「地球の日」として宣言したことがきっかけで、毎年環境について考えるためのイベントやキャンペーンが行われている。今年もこの日に合わせて、さまざまな企業が環境保全に関する活動をおこなっていた。
例えば、グローバル展開する大手スーパーマーケットのテスコは、マレーシアでUnforgettable Bagというキャンペーンを開始した。
このエコバッグには絶滅危機にある海の生物がデザインされている。毎年一人あたり約300枚のプラスチック袋が廃棄されているマレーシアにおいて、人々に使い捨ての袋が海の生物に与えている悪影響を忘れないようにするためだ。
ユニークな絵柄の中に含まれているバーコードをスキャンすると、20セン(約6円)の割引が受けられる。一度の買い物で2枚のバッグが割引対象で、最大で40センお得になるという買い物客にも嬉しい取り組みだ。
このキャンペーンは今年4月に地域限定ではじまり、6月からは全国で導入され、12月末に終了する。一枚50センのバッグは、リサイクル可能な素材でできており、従来のプラスチック袋より丈夫にできている。万が一バッグが破れたり、使い古されてしまったりした場合には、キャンペーン期間中、テスコ店舗で無料で交換することができる。
テスコ・マレーシアのCEO Paul Ritchie 氏は「2011年から2017年の間で、プラスチック袋の使用数は半減した。しかし、これは十分なスピードではない。私たちは、今年中に袋の数をさらに半減させることを目標にしている」とコメントした。
また、テスコとともにThe Unforgettable Bag のデザインをした GREY Malaysia のGraham Drew氏は、「袋が一枚再利用されることは、すなわち海に捨てられる袋を一枚減らすことにつながる。私たちはこのキャンペーンを通して、より多くの人が袋の再利用という習慣を身につけることを望んでいる」と語っている。
環境問題はとても大きな問題で、身近には感じにくいかもしれない。しかし、気候変動や海の汚染などは着実に進んでおり、早急な対応が必要とされている。エコバッグを持参するなど、ささいな行動が、将来に大きく関わってくるのだ。
その一方で、理屈では「リサイクルが必要」や「環境にやさしいことをすべき」とわかっていても億劫だったり、やり方がわからなかったりするのが現実だ。このテスコの例のように、デザインを工夫することで買い物客が「持ちたい」と思うようにすることや、割引をすることでお得感を引き出すことなど、積極的にそのアクションを取りたがるような刺激が大切になってくるだろう。
【参照サイト】Unforgettable Bag
(※画像:Design TAXIより引用)