最近では、環境への配慮から自転車通勤を推奨する取り組みが、世界中で進んでいる。たとえば、以前IDEAS FOR GOODでもご紹介したように、ドイツやオランダでは、自転車に乗った分だけ得をする仕組みを用い、自転車通勤を促すアプリが登場している。一方で、雨の日の自転車通勤は大変だったり、自動車や歩行者との交通事故を起こさないように配慮しないといけないなどいろいろな苦労も多い。
そんな悩みをもつ自転車通勤者にとってうれしい、サイクリング専用ロードMINILOOPがロシアに誕生した。パイプ状にデザインされた通路には、屋根があり、どんな天候下でも自転車に乗ることができる。
さらに、現地の気候に応じて、道路のデザインを変えられる。たとえば、温暖な地域ではパイプ状の側面をオープンにして空気の通りをよくしたり、極寒の地では断熱構造にして、どんな環境下でも快適にサイクリングを楽しむことができる。
MINILOOPは、サステナブルな素材の使用とデザインが特徴の建築家 Richard Moreta氏の最新作で、その近未来的なデザインも話題を呼んでいる。彼の建築が際立つのは、エコでありながら、おしゃれで魅力的だからだ。
このサイクリングロードによって、道路から車の数が減り、大気汚染と交通渋滞が緩和されるだけでなく、自転車と歩行者の接触事故が減少する効果も期待されている。また、きれいな空気の中では植物が育つので、都市の緑化も促進されるのだ。
ロードの一部に、電気自転車のレンタル場所や充電スポットもオプションで設置することが可能で、これまで自転車を持っていなかった人の利用を促進する狙いもある。
自転車通勤は環境にやさしいだけでなく、健康的で満員電車のストレスもなくすことができる。しかし、天気に左右されやすく、一度習慣を捨ててしまうと、楽な車通勤に戻ってしまうのが人間の本能だ。
その点、MINILOOPは、屋根のおかげでサイクリニストが天気の心配をせず、毎日安心して自転車通勤ができるデザインになっており、とても便利である。車や歩行者との接触事故の心配もなくしてくれる。そして、環境にもやさしい。
爽やかな日差しと風が気持ちのいい春秋はもちろん、暑い夏でも、寒い冬でも、一年中サイクリングを楽しめる素敵なアイデアだ。
【参照サイト】This all-weather bicycle highway could fulfill the dreams of bike commuters everywhere
【参照サイト】Richard’s Architecture+Design (RA+D)
(※画像提供:Richard’s Architecture+Design (RA+D))