もうすぐやってくる夏休み。お盆などには、旅行を計画している人も多いだろう。洋服や土産など、旅行に持っていく荷物がついつい増えてしまい、片手で重いスーツケースを引きながら移動することを大変に感じたことはないだろうか。
いままでの旅行につきものだった、「スーツケースを引いて歩く」ということ。この面倒を解消すべく、中国のスタートアップForwardX社は、AI技術を活用してユーザーを自動で追尾するスーツケース「Ovis」を開発した。これからは、手ぶらで旅行に行けそうだ。
自動で動くスースケースOvisは、搭載されたカメラでうつした映像から環境の3次元情報とカメラの位置を同時に推定する技術であるVSLAM(Visual SLAM)と、ForwardX社の人工ニューラルネットワークをあわせて開発された。
進行方向に障害物があれば、それを避けて再び持ち主について移動を続ける。自動運転技術に基づいて、周囲を正確に感知し、距離を計算して新たな進行方向を決定するのだ。
スーツケースから手を離していてもいいと聞くと、紛失してしまわないかが心配になるが、Ovisには紛失防止用のスマートアラームが付いており、ユーザーから2m以上離れると腕に装着してあるスマートバンドが振動して教えてくれる。また、バッテリー残量が少ないときや何かしらのエラーで技術的なサポートが必要なときも、警報が送られる仕組みだ。
スーツケースの持ち手を手でつかむことで、自動から手動に切り替えることもできる。Ovisのバッテリーは取り外し可能で、他の電気機器も充電できる。空港でコンセントを探す必要がなく、どこでもスマートフォンが充電できたり、パソコンで作業ができるのでとても便利である。
また、スマートフォンアプリと連動しており、紛失の際の位置情報やバッテリー容量が表示される。他にもスーツケースの全重量も教えてくれるため、飛行機の持ち込み荷物として持っていても重量オーバーの心配をする必要がなくなるなど、嬉しい限りだ。
容量は34L。たっぷり荷物が入る。軽くて強いという性質をもつ炭素繊維でつくられているため、Ovis自体の重量は4.5kgと軽量で防水性も高い。キャスターは4つあり、最高時速は10㎞。1回の充電で20㎞走行可能だ。
現在Ovisは、クラウドファンディングのIndiegogoでキャンペーンを行っている。
最新のAI技術を使って、自動で動くスーツケースOvis。今後の旅行が、もっと身軽で楽しくなりそうだ。
【参照サイト】ForwardX
【参照サイト】Indiegogo – Ovis: 1st AI-Powered Suitcase Following by Side
(※画像:Indiegogo – PRESS MATERIALSより引用)