野菜を育てる人と野菜が欲しい人をつなぐプラットフォーム「grow SHARE」

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新型コロナウイルスによる外出自粛によって、国内外を問わずガーデニングを楽しむ人が増えつつある。日本でも、福岡県の糸島JAで4月の野菜の苗の売上げが前年比130%増加、大阪のJAたかつきでも入場規制するほど野菜の苗を買い求める客が殺到したと報道された(※1)。これを読んでいるみなさんの中にも、野菜や植物を育てはじめた、という方がいるかもしれない。今回は、野菜の栽培を通して自給自足を超えた“共給共足”の社会をめざす「grow」のサービスについて書いていこう。

IotやAI等の技術を使い、畑と人とのつながりを作る定額制・都市型シェア農場growを立ち上げたのは、「楽しく生態系も豊かにするおすすめ種まきプロジェクト」の記事でもご紹介したプランティオ株式会社だ。東京都渋谷区の恵比寿と神泉の2拠点でビル屋上のフィールドを運営している。

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先週種まきをしたサボイキャベツ、まだ芽は生えてきませんが、plantioアプリをみれば、発芽予報〜収穫期予報まで、一眼でわかります👀種の取れる野菜に関しては、種取り時期まで教えてくれますよ🌱 水やりの頻度や肥料のタイミングも、もちろん🙆‍♀️ はじめての野菜も、安心してみんなで品質を担保したケアができます🥬✨ アプリダウンロードは、こちら 👉 https://apps.apple.com/jp/app/plantio/id1444728746 アプリもまだまだ進化中ですが、ぜひご覧ください🎶 #渋谷 #shibuya #tokyo #神泉 #恵比寿 #プランティオ #plantio #アグリテイメント#agritainment #sustinapark #サスティナパーク #サスティナブル #自給自足 #屋上菜園 #家庭菜園 #畑 #アーバンファーム #urbanfarmer #urbanfarm #コミュニティファーム #communityfarm #growyourownfood #growyourownveggies #美味しい野菜

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同社は2020年4月、野菜を育てる人と、野菜が欲しい人をつなぐプラットフォーム「grow SHARE」をリリース。そこで、サービス内容や立ち上げの経緯を広報担当の半田景子さんにうかがった。

growのめざす「共給共足」とは?

growがめざすのは、自分が口にするものを自分でつくる自給自足を超えた、「共給共足」の社会をつくること。言い換えると、一人や家族単体ではなく「みんなでつくってみんなで食べること」だ。

「野菜は基本スーパーで買う、という方が多いかもしれませんが、ロンドンでは家庭菜園が増え、採れたものをシェアする動きが高まっています。みんなで育てて一緒に食べれば、喜びもひとしおです」と半田さん。日本でも、野菜をファームを通して知り合った人々で楽しく育てて、みんなで食べるカルチャーを育てていきたい、という思いがgrowの立ち上げにつながったという。

growの固定種

Image via grow

定額制の会員になると、恵比寿や神泉での野菜栽培や、会員向けのイベントへの参加が可能になる。他にも料理のワークショップや、季節の収穫にあわせて提携するレストランシェフとのコラボイベントも開催している。そんなgrowの活動をデジタルの場に移し、よりさまざまな人々とつながれるようにしたのが、新たにリリースされた「grow SHARE」だ。

野菜を育てる人と、野菜が欲しい人をつなぐ「grow SHARE」

grow SHAREの特徴は二つ。「AIによる栽培サポート」と「コミュニティづくり」である。

まずはユーザーが栽培する野菜を決めたら、ウェブサイト「grow SHARE」上で、野菜を育てる場所を「vegeSPOT(ベジスポット)」として地図に登録。その際、栽培する野菜の種類を登録すると、AI予測による発芽から収穫までのスケジュールが提供され、栽培をサポートしてくれる(※2)

野菜の育て方に関するアドバイスをメールで受けとることもできる。たとえば、芽が出る頃に「芽がでましたか?」と尋ねてくれたり、「そろそろ支柱を立てる時ですよ」などと教えてくれたりするという。登録されている野菜の種類は、現在280種類。育て方がわからない初心者でも気軽に野菜づくりを楽しめる工夫がされているのだ。

登録されているvege SPOT

登録されているvege SPOT

また、grow SHAREは昨年6月にリリースしたアプリ「grow GO」と連携することでコミュニティの機能も提供している(ベジスポットの登録機能はウェブサイトのみ)。アプリでは、仲間同士で栽培情報を交換したり、水やりなどのボランティアを募集したり、といったコミュニケーションを楽しめる。さらに、コミュニティをつくって、野菜がたくさんできた時にはシェアをしたり、種を交換したり、一緒に収穫した野菜を食べたりと育てる楽しみを広げることができる。利用はすべて無料だ。

以前ご紹介した「#おうちでたねまき」プロジェクトで提供するのは固定種なので、実がなった後も種を採り、次の年につなげていくことができる。半田さんは「収穫して終わりではなく、また次の年も育てていくことで野菜を育てることが『カルチャー』としてライフスタイルの一部になれば」と同社のビジョンを語った。

5月27日時点でgrow SHAREのユーザー数は846人。ベジスポット数は99箇所(公開場所のみをカウント)。緑地面積や食数(収穫できる野菜が何食分になるのか、という数値)も徐々に増えつつある。

誰もが共給共足できる未来へ

プランティオ社は、今秋にはセンサーがついたAIプランター「grow CONNECT」を発売予定だ。栽培状況に関する情報をデータベースに保存し、アプリでデータを見ることが可能になるという。

2050年には世界人口の70%が都市に移り住むと言われるなか、都市部で広範な畑や緑地を新たに見出すのは難しい。しかし、こうして一人ひとりがアクションを起こしていけば、広大な畑や緑地も夢ではないかもしれない、と思えてくる。

野菜は、一つ自分で育ててみるだけでも多くの気づきを与えてくれる。農家の大変さや農薬・化学肥料の問題、食糧自給率の低さ、それに気候変動の影響。そんな学びのある野菜づくりをテクノロジーとかけあわせ、人々の交流も生み出す「grow SHARE」の今後が楽しみだ。

※1 タイで「野菜育てる」国民運動 コロナ禍で意識高まる 自給の重要さ再確認
※2 ベジスポットは、誰でも閲覧可能な「公開」、招待された人だけが閲覧できる「限定公開」、自分だけが見られる「非公開」と、用途に応じて登録時にステータスを選ぶことができる。

【参照サイト】野菜を育てる人と、野菜が欲しい人をつなぐプラットフォーム「grow SHARE」の使い方