海藻の遺伝子を利用した青く光る街路樹が、道を照らす未来がくるか?

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春の風物詩である桜の木や、秋の侘しさを漂わせるえんじ色の紅葉、毎日異なる表情を見せてくれる夕焼けなど、自然が発する色は美しい。そんな自然の色と現代のテクノロジーを組み合わせて、画期的な電力装置が誕生するかもしれない。

デンマークの首都コペンハーゲン近郊のスタートアップ Allumen社の研究者たちは、蛍光を発する微細藻類から遺伝子を取り出し、木に移植し、自然由来の光を発する木をサステナブルな都市の街灯代わりに使用しようと試みている。

Image vis Allumen

CEOであるKristian Ejlsted氏は、大学時代から「発光する生物である藻」に注目して、研究を続けている。もともとAllumen社は、この光を利用して学校の理科の授業で、植物の光合成、呼吸などを視覚的にわかりやすく説明するキットや、昼の太陽光でエネルギーを蓄え、夜にはインテリアライトのような光る家庭用ランプを販売している会社だ。家庭で藻を育てられる製品も販売している。現在、Allumen社はデンマーク国内でのみ微細藻類の販売をおこなっているが、今後国外展開を考えているという。

今回のプロジェクトは、微細藻類から光を発する遺伝子を取り出し、その遺伝子を街路樹に組み入れることができれば、木そのものが光を発する街灯としての役割を果たすことができるというアイデアだ。

道端にある街灯は、市の出費の大部分を占めている。近年、従来の白熱灯から電力消費の少ないLEDに切り替える都市が増えてきていると言えども、いまだその額は少なくない。

2035年までにすべての電力を再生可能エネルギーから賄うことを目標としているデンマークでは、ほぼすべての街灯がすでにLEDに付け替えられている。効果は絶大で、エネルギー消費を節約できる。しかし、いまだに電力を「使用」しているのだ。つまり、使用量は減っているが、電力使用を続けている。その電力は化石燃料で賄われているため、二酸化炭素の排出につながる。

一方で、この藻は完全なる植物由来で、二酸化炭素と太陽光、そして水があれば発光可能なのだ。100%自然由来の街灯を実現するのにはまだまだ時間と努力が必要であるが、これが実現できれば、完全に二酸化炭素排出量をゼロにすることができる。

Image via Allumen

この会社以外にも、自然由来の光の生産に挑戦して企業はいくつかあるが、道を照らすのに十分な明るさを生み出すのに苦戦している。また、このようなプロジェクトには倫理的な問題も伴ってくる。遺伝子を組み替えることによる生態系への影響などが懸念されているのだ。

この例は再生可能なエネルギーであると同時に、遺伝子操作による倫理的問題も絡んでいる。地球環境か倫理問題か?どちらかのみを選ぶことは困難であるとしても、現代のテクノロジーを使って、地球上の生物がより幸せになれる方法を模索すべきであろう。

【参考記事】Allumen
【参考記事】Imagine a city lit by glowing trees instead of streetlights
(※画像提供:Allumen
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