CO2排出量で宿泊費が変わる。森と湖の国が提案する究極のエコツーリズム

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環境にやさしい商品が売れるようにしたり、エコな取り組みを広めたりすることは、そう簡単ではない。届ける側の環境に対する意識や熱量を、受け手に共有することが鍵となるが、これを関心があまり高くない層へうまく伝える為には、何かきっかけが必要となる。それは、商品を格好良くデザインすることかもしれないし、取り組みに楽しさを加えることかもしれない。

地球環境を想うすべての人達に訪れるそんな難題を、フィンランドに2022年オープン予定のエコリゾート「Arctic Blue Resort」は、一風変わった方法で乗り越えようとしている。

ヘルシンキから電車で4時間半、東フィンランドの街・ヨエンスー郊外に建設中の同リゾート。約19万の湖を持つ国土の中でも、湖が特に多くある地域で、周辺はLakelandの愛称で親しまれる。

Arctic Blue Resort

(c) Arctic Blue Resort

Arctic Blue Resortのユニークな工夫は、ゲストが滞在中に排出したCO2量に基づいて、支払う宿泊費を変えることだ。たとえば滞在中に電気や水の消費を抑えたり、アウトドアのアクティビティに参加したり、よりサステナブルな食事を選択したりするほど宿泊費が割引される。

そのため、ゲストは森と湖に囲まれた土地で、満点の星空とオーロラを見上げる至福の時間を過ごしながらも、暮らしのなかにある環境負荷を再認識することになる。割引は最大50%OFFにもなるというから、ゲストも喜んで、環境により良い滞在方法を選択するのではないだろうか。「ゲストが大自然を心ゆくまで味わうことで、その美しさを未来にも残すための意識や責任感を高めてほしい。」そんな想いでこの取り組みは行われる。

同リゾートは、ほとんど自給自足で運営される。水処理はエリア内の独自のシステムで行い、電気はすべてバイオマスなどの自然エネルギーによってまかなうという。建物は環境にやさしい建築資材で建て、ゲストに提供する食材は、主に地域で生産されたものを使用する予定だ。

ゲストは滞在中、冬はアイススイミングや雪原ハイキング、夏はベリー摘みやボートなど、さまざまなアクティビティを楽しむことができる。自然に溶け込むことで日常を完全に忘れて、本来の自分に還る貴重な体験となるだろう。

日本からは少し遠く、オープンも2022年。あなたがArctic Blue Resortに滞在する日が来るかどうかはわからない。それでも、彼らの取り組みが発するメッセージがあなたにも確かに届いているのならば、それだけで彼らは、未来の観光の在り方に一石を投じているように思える。

【参照サイト】Arctic Blue Resort
【参照サイト】Visit Finland – 「1000の湖のある国」