私はおいしい料理を作って、家族に食べさせる。今日の献立は何にしようか、材料は何が残っているだろうか。そんなことを考えながら台所に立つとき、気合いを入れるきっかけがあると「よし!」とがんばれる気がする。それは例えば、冷蔵庫を開けた瞬間に見える色とりどりのラップ。残った食材でも可愛く包んであると、とても好きになれる。
ラップに色がついてるとか、ラップが可愛いとか、普通はぴんとこないかもしれない。それが、オーストラリアに住むDevine一家が販売するBee Eco Wrapは、デザイン性が高くてしかも地球に優しいラップなのだ。このラップはミツバチの巣の材料となるミツロウ、オーガニック・テキスタイルの世界基準であるGOTS認証を受けたコットン生地、ホホバ油、そして木の樹脂からできており、完全に自然由来の材料からできているのが地球に優しい理由だ。
現在食品ラップのほとんどは石油を原料とするプラスチック製で、使い捨てるタイプだ。それに対してBee Eco Wrapは、洗って乾かすというお手入れをきちんとやっていれば、長くくり返し使うことができる。サイトによれば平均で約1年間使えるという。手の熱でミツロウがやわらかくなり、冷やせばかたちをキープする。だからとろりと溶けたミツロウが、容器に残ることもあるかもしれない。そこから甘い香りが漂う。
そして珍しいのが、作り手であるDevine一家のサステナブルな暮らしぶりだ。子どもが生まれたことをきっかけに、ビジネスと生活の両面でサステナブルに生きたいと考えた夫妻。家やビジネスで使うエネルギーはすべて太陽光発電でまかない、自分たちが暮らす土地で食材を育てるという徹底ぶり。もともとBee Eco Wrapを作ったのも、行政によるゴミの収集が及ばない場所だったため、ゴミを余計に出すわけにはいかないという必要に迫られての行動だったようだ。
エシカルでクリエイティブなラップの制作に情熱を注ぐDevine夫妻。自然に囲まれながら撮られた写真には、利発そうな夫人や可愛い子どもたちが写っている。整然と美しく模範的な暮らしぶりが、写真を通して伝わってくるかのようだ。この一家ほど徹底したスタンスを貫くのは、なかなか難しいと思う。それでもBee Eco Wrapを手に取り、環境保護にちょっとだけ貢献してみる健気な女の子。もう、自分のことしか考えない女じゃない。
Bee Eco Wrapは、北は北海道から南は沖縄まで、日本各地の店舗で販売されている。オンラインショップもあるので、好奇心が生まれた人はのぞいてみてはどうだろうか。このラップは、料理したい欲を刺激する台所用具。存分に使い尽くすといいと思う。
【参照サイト】Bee Eco Wrap
(※画像提供:Bee Eco Wrap)