ベッドシーツを“着る”。オランダ発アップサイクルシャツプロジェクト「Archivist」

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新型コロナウイルス感染症がWHOに世界的大流行(パンデミック)と認定されてから、はや二ヶ月。筆者の住む欧州では、国境封鎖や都市封鎖、外出禁止令が発動され、今でも不要な外出が許されない状況が続いている。こうして世界経済が停滞するなか、とりわけ観光業は甚大な被害を受けている。

観光の楽しみの一つともなりえるホテルは現在、休業・廃業が相次いでおり、それに伴って多くのベッドシーツが使用されなくなった。行き場を失ったこれらのシーツは、一体どうなってしまうのか。

そんな問いへの答えとなりそうなのが、オランダ生まれのアップサイクルファッションプロジェクト「Archivist」だ。ユージェニー・ハイツマ氏とヨハネス・オファーハウス氏の2人のデザイナーの発案で、不要になったホテルのベッドシーツをおしゃれなシャツに変身させる事業である。

Archivist

Image via Archivist

Archivistは、クリエイティブチームや、織物に特化した技術者、学術チームが協業し、研究と試行錯誤を経て誕生したディスラプティブ(製品を予期しない形に昇華させる)・プロジェクトである。欧州全土にあるホテルから使われなくなったベッドリネンを回収し、よく洗浄した後に裁断して、最終的に性別を問わずに着られる白いシャツに変える。プロジェクトの始まりは、創業者の2人が廃棄されたシーツの行き場を考えて、複数の高級ホテルに連絡をとったことだ。

連絡から数日後、ロンドンのとある高級ホテルから約200キロのベッドリネンが届いた。摩耗はしているが耐久性は十分で、最高級エジプト産の綿が使用されていたという。そして何より、このシーツがまだ上質な衣服にアップサイクルできる状態にあることがわかり、プロジェクトは大きく進行した。

Archivist

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やわらかな最高級素材が使われ、肌に馴染みがいいシーツ。シンプルな白色は飽きが来ず、さまざまな場面で使えるファッションとなる。Archivistは、少しでも無駄をなくすため、生地に多少の傷みがあっても極力使用することを信条としている。購入する人々にとっても、「一商品を買う消費者」から、「プロジェクトに参加する協力者」になるくらいの理解と心意気を示すことが肝要となるだろう。

素材の摩耗は、ベッドシーツがホテルと共に歩んできた歴史をあらわす。このシャツには、初めて身にまとったその日から愛着が湧く不思議な魅力がある。

【参照サイト】Archivist

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