森林破壊を、衛星監視でくい止める。世界最大のパーム油貿易会社の英断

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食用油やマーガリン、石鹼などに使用されており、私たちの最も身近にある油のひとつが、アブラヤシの果肉からとれるパーム油。しかし、パーム油生産のためのヤシ植栽は、動物たちの住処である森林を破壊するなど、さまざまな問題を引き起こしている。

インドネシア・ボルネオ島のオラウータンは、パーム油産業による生息地の破壊によって、わずか16年で半数が死滅した。トラ、オラウータン、ゾウが住むスマトラ島のテッソ・ニロ国立公園の4分の3以上が違法パーム油プランテーションに変わった。そして、193種の絶滅の恐れのある生物が、パーム油の生産によって脅かされているという。

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そんな一刻の猶予も許されないなか、パーム油の世界一の貿易会社Wilmar International社は、全サプライヤーをマッピングして衛星監視していくことで、森林破壊をくい止める計画を発表した。Wilmar International社は世界のパーム油の40%を供給しており、この決定は他企業にも好影響を与えていくことが期待される。

森林破壊は、温室効果ガス排出の主な要因だ。現在、インドネシアは米国と中国と並んで、世界で最も温室効果ガスを多く排出する国の1つになっている。気候変動に関する政府間協議は、2018年10月に地球温暖化を1.5℃に制限するため、森林破壊の即時停止を求めた。

この自然破壊問題を解決すべく、環境団体グリーンピースは、パーム油による森林破壊を食い止めるキャンペーンを行い、130万人の署名を集めた。そして、このキャンペーンに影響を受け、Wilmar International社が今回の決定を発表したのだ。

Wilmar International社の計画が実行されれば、2019年末までに当社の全サプライヤーが高解像度衛星を使って監視されるようになり、森林破壊が阻止される。グリーンピースもこの計画が実行されるように、監視をしていくという。

東南アジアグリーンピ―スのインドネシア森林キャンペーンでグローバルヘッドを務めるタウフィック氏は、「気候変動と絶滅危機に対して、私たちはアクションを起こさなくてはならない。Wilmar International社は、大きなステップを取った。そして、いま、この計画を即座に実行していくべきだ。森林破壊阻止は、業界全体に求められており、パーム油における搾取と人権侵害についても対処していく必要がある」と、語っている。

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毎日の生活で多く使われているパーム油。世界最大のパーム油供給会社Wilmar International社が森林破壊をくい止めようと踏み出した一歩は、自然保護への大きな一歩になるだろう。私たちも、食するもの、使用するものが環境に優しいかについて思いを巡らせながら、生活していきたい。

【参照サイト】Breakthrough as world’s largest palm oil trader gives forest destroyers nowhere to hide
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(※画像:Shutterstockより引用)