陸上配送ドローンが届けるラストワンマイル。日本郵便が実証実験を実施

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ころんとした愛らしい形。道路をゆるゆると進む様子はどこか可愛らしい。この機体は最先端技術を活用した「陸上配送ドローン」で、2019年1月31日に日本郵便が福島県南相馬市内の災害公営住宅(※)と双葉郡浪江町のふたば自動車学校において実証実験を行なった。

日本郵便ドローン

使われたのは株式会社DroneFutureAviationが独占取引権を持つ、イタリアのドローン「YAPE」。YAPEは、独立した電気モーターを備えた2つの車輪でエネルギー消費を最小に抑え、機敏さを重視した構造になっている。これにより小道や狭い空間をすばやく動き、歩道を楽々上り下りすることが可能だ。

また、「360度ヴィジョン」により、人間の目よりも早く障害物を検知して、回避ができるという。積載容量は最大70kg。結構な力持ちだ。

百聞は一見にしかず。実際に動画で見るとその賢さに驚く。イタリア特有の石畳もなんのそので、するすると進む。車や電車、人などが通れば止まり、停車中のバイクなどの障害物も避けていく。受取人は顔認識で確かめ、確実に荷物の受け渡しを行うそう。

こうしたドローン配送が注目されるのはなぜだろうか。現代において、物流システムは随分発達したが、それでも倉庫からオフィスや一般家庭に至る配送は「ラストワンマイル」と呼ばれ、短距離ながら手間がかかる。ドローン配送はこうしたラストワンマイル配送の効率化を進めると期待されているのだ。

また、運輸業界の人手不足問題もある。昨今、人手不足によりネット通販大手が続々と送料の値上げを行ったことは記憶に新しいが、ドローン配送が実用化すれば、この問題の解消につながる可能性がある。また、買い物困難な地域において商品を届けるサービスも考えられているという。さらには、電気を動力とするYAPEを再生可能エネルギー由来の電気を活用して動かせば、CO2の削減にもつながる。

さまざまな可能性を秘めたドローン配送。まだ実証段階だが、実用化されれば、配達の利便性を高め、社会課題の解決をする手段になれるかもしれない。

※災害で住宅を失い、住宅確保が難しい方々に対し、地方公共団体が国の助成を受けて提供する低価格家賃の賃貸住宅
【参照サイト】陸上配送ドローンによるラストワンマイルの無人配送に向け、日本郵便との実証実験を実施