オーストラリアのカンタス航空は5月8日、シドニー発アデレード行きのQF739便で、世界初となるゼロウェイストな商業フライトを実現した。機内サービスにおいて、埋め立て廃棄処分されるゴミを一切出さないというものだ。IDEAS FOR GOODでも以前、ポルトガルのHi Fly航空による使い捨てプラスチックを使わない飛行機の旅について取り上げた。
カンタス航空は、使い捨てのプラスチック製品等、機内サービスに関連する廃棄物を2021年末までに75%削減する目標を掲げている。これまでは、シドニー・アデレード間のフライト1回につき34kg、年間で150トンの廃棄物を出していた。
そこで今回のフライトでは、同社は機内食のカトラリーを含む1,000点にのぼる使い捨て製品を、サトウキビでできたお皿やでん粉でできたナイフ・フォーク等、堆肥化が可能なものに置き換えた。個別包装された牛乳やベジマイトなど、プラスチック容器に入ったものは機内から排除されたり、他の容器が使われたりした。
これから同社は、4,500万個のプラスチックカップ、3,000万個のカトラリーセット、2,100万個のコーヒーカップ、および400万枚のヘッドレストカバーを持続可能な代替品に置き換えると発表している。
カンタス航空のCEOのアンドリュー・デヴィッド氏は、「サービスの質は維持しつつ、飛行に伴うゴミを減らします。今回のフライトでは、弊社プロダクトをテストし、廃棄処理を改善し、お客様のフィードバックを頂きたいと思います。」とコメントし、この飛行を、廃棄物を減らすための重要なマイルストーンと位置付ける。同社は、2012年に初めてバイオ燃料によるフライトを航行し、2018年にはオーストラリア・アメリカ間でもバイオ燃料によるフライトを行ってきた。
世界中でより多くの人々が旅をするようになり、空を高速で長距離移動する飛行機の利用は、むこう20年間で2倍になると見込まれている。今回、カンタス航空が行ったようなサステナブルな機内サービスや、燃料等の先進的な取り組みは希望を感じさせる。同社の今後の取り組みが楽しみだ。