2日間で11万人が来場「EveryDay EarthDay 地球1個分の暮らし」を目指すアースデイ東京2019

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2019年4月20日・21日、代々木公園でアースデイ東京2019が開催された。今年のテーマは「EveryDay EarthDay〜地球1個分の暮らし〜」ということで、地球1個分の暮らしを実現するための展示やアイテム販売、ステージトークが出揃った。

世界のみんなが今の日本人と同じような暮らしをしたら「地球資源が2.8個分」必要だという現状を見つめ、SDGs(持続可能な開発目標)で掲げられている「誰ひとり取り残さない」ことを目指しながら「私たちの世界を変革する」ために、まずアースデイ東京2019では「地球1個分の暮らしの実現」と「使い捨てプラスチックを手放していく」ことを掲げた。

アースデイの様子

アースデイの様子

毎年恒例!マイ食器を忘れた人へ「ディッシュリユースシステム」を案内

ディッシュリユースシステム
アースデイ東京では、当日マイはしやマイ食器を持参するよう事前に案内している。忘れた人には、NPO法人iPledgeの協力のもと毎年取り組んでいる「ディッシュリユースシステム」を案内。

今ではリユース食器が他のフェスでも採用されるようになり、アースデイ東京からゴミをなるべく出さない取り組みが広がっている。写真のように、お皿を使ったあとには食べ残しや返却方法をていねいに説明している。

プラスチックシフトのための新しい取り組み

プラスチックフリーのロゴ
今回新しい取り組みとして、インフォメーションでマイ食器やマイバックを提示した来場者に、50円分の「プラスチックフリーチケット」が配布され、プラスチックシフトアクションを後押しする取り組みが行われた。

さらに、出展者の出展条件の中にも販売の際に使用する「ビニール袋禁止」の項目が加えられた。ビニール袋の代替として「2.8個分」の現状を説明したプリントを施した FSC認証紙(※)を使った紙袋が当日配布された。

※ FSC認証=FSC(R)(Forest Stewardship Council(R)、森林管理協議会)が出している、持続可能な森林管理を行っている森林から調達された木材や紙に付与される認証のこと。

プラスチックアクションブースを設置

プラスチックゴミ
会場のケヤキ並木通りには、オフィシャルの「プラスチックアクションブース」も設置。使い捨てのプラスチックが出ない暮らしを実現するためのさまざまなアイデアが紹介された。

最近プラスチックストローを廃止する国やカフェが多くあるが、ブースではこのプラスチックストローに代わる、東京都の檜原村の大麦ストローを販売。大麦を切っただけのシンプルな自然のストロー(無農薬・無化学肥料)も大人気だった。

熊本の竹害を解決する、竹炭を使ったラレシーブオーバンブーの洗濯洗剤の量り売りも行われた。浄化剤としても使われている竹のミネラルパワーをふんだんに使った洗剤は、洗浄力も抜群。

大川硝子工業所のびんの量り売りも出店。びんは、見た目もおしゃれでキッチンタイムが楽しくなるアイテム。蓋付きのものを選べば使い捨てラップを卒業できて、脱プラスチックパッケージとしても注目のアイテムだ。

びん

プラスチックでできているビニール傘のゴミ問題も発信すべく、傘のシェアリングサービス「アイカサ」も展示。たくさんの来場者が無料体験した。

アイカサ

そのほか、廃材でつくったフォトフレームで撮影スポットをつくったり、「4人家族の1週間分のゴミ」を展示したり、来場者の地球1個分の暮らしのアイデアを書いたシートを展示したりなど、盛りだくさんのオフィシャルブースとなった。

ハッピーアースデイ大阪実行委員会の学生たち

ハッピーアースデイ大阪実行委員会の学生たち

立ち見続出のオフィシャルトークテント

オフィシャルトークテント

オフィシャルトークテント

オフィシャルトークテントでも、今回のテーマ「地球1個分の暮らし」と「プラスチックシフト」を熱く語るメンバーが集結。

「地球1個分の暮らし」トークでは、アースデイ東京立ち上げメンバーの谷崎テトラさん、WWFシニアマネージャーの石原明子さん、環境問題に取り組むミスコン“ミスアース”のお2人、アースデイ東京事務局からは松尾さおりさんが登壇。ミスアースのお2人が聞き手となり、テトラさんによるアースデイ東京の歴史と地球の現状の話、松尾さんによるSDGsの話、石原さんによる地球1個分の暮らしの話が展開された。

エコロジカルフットプリントが急上昇した1960年以降に出てきたものとして、“原発”と“プラスチック”と“ファストフード”があったことに触れ、これらを手放していくことが“地球 1 個分の暮らし”につながるのではないかという推測のもと、みんなで小さくてもアクションをしていくことの大切さを再確認した。

イベントの様子

イベントの様子

「プラスチックシフト」トークでは、東京農工大でマイクロプラスチックについて研究している高田秀重教授、海のごみ拾い活動も行っている環境アクティビストコミュニティ「Spiral Club」の清水イアンさんと松岡みのりさんが登壇。

「マイクロプラスチックとは何か?」「プラスチックゴミの何が問題か?」「気候変動とプラスチックの関係」について高田先生から説明があり、Spiral Clubの2人が質問を投げかけるかたちでトークが進行。会場が溢れるほどたくさんの来場者が集まった。

トークでは、現状国内で一年間でつくられている227億本のペットボトルのうち、リサイクルされていない約11%の25億本の一部が海に流れ出てしまっている可能性や、海に大量に漂うプラスチックが汚染物質をくっつけて私たちにかえってきていること、さらに“使い捨て文化”を手放さなければ、プラスチック代替品も結局は環境負荷が高くなってしまうこと、石油依存のままの社会は気候変動にも悪影響だということが解説された。

新しい切り口で環境問題を発信!クリエイターとのコラボ企画

トークショーの様子

トークショーの様子

そしてメインステージでは、グリーンピースとクリエイターたちのコラボレーション企画【ファッション×ダンス×環境】漁網ダンス&クリエイターズトークを披露。

ファッションデザイナー谷久美子さんによる漁網で作られたドレスを着たダンサー2人が、まるで海鳥のようにプラスチックゴミに苦しむ様子をダンスで表現した。「漁網のゴミの重さを実感しました」と話す、ダンサーの小佐野智美さん。

海のプラスチックゴミに苦しむ海洋生物たちのニュースが世界中で話題になったが、これらのゴミの約8割は街から出ていると言われている。SDGsゴール14にも掲げられている「海の豊かさ」や「生物多様性」を守るためには、みんなで一緒に “ゴミとの付き合い方” を見つめ直す必要がある。

ダンスの後は、この作品に関わったクリエイターたちが登場し、撮影裏話のほか、日々の暮らしのなかでできるアクションについて話し合われた。使い捨てプラスチックを手放すにあたり避けては通れないのが、同じ原料である”石油”を使ったエネルギーの問題。たとえば電気を変えたり、銀行口座を変えて化石燃料投融資へのお金の流れを変えたりと、それぞれのアイデアが紹介された。

EveryDay EarthDay 毎日がアースデイ

アースデイ東京2019ダイジェストはいかがだっただろう。ひとりひとりが地球のことを考え「地球1個分の暮らし」実現に向けて行動することが大切だ。

「これをやってみたい!」「こうなったらいいのに!」という思いをお持ちの方は、ぜひアースデイ東京のオープンミーティングや実行委員会にご参加してみてはいかがだろうか。(次回は5月23日を予定。詳しくはこちら

集合写真

記事提供者:アースデイ東京事務局

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