昆虫食の美味しさを伝える。上野アメ横の専門店「MUSHI-YA TOKYO ueno」レポ

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食糧危機を救う未来のたんぱく質として、注目されることが増えてきた昆虫食

興味をそそられつつも、「これまで経験したことのないものを食べるのが、少し怖い」と躊躇する人もいるのではないだろうか。

昆虫を目の前にして食べたとき、どんな感想を持つのか。今回筆者は、2023年1月に、上野・アメ横センタービルにグランドオープンした昆虫食専門店「MUSHI-YA TOKYO ueno」を訪れた。

同店は2022年12月にプレオープンし、約1か月にわたり、お客さんの声を取り入れながら商品をブラッシュアップしたという。今回は、おすすめ商品である「大コオロギの串焼き」を食べてみた。味付けは塩コショウだ。

シンプルな塩コショウの味付けが人気だという

シンプルな塩コショウの味付けが人気だという

一番右の大きいコオロギは、子持ちコオロギ

一番右の大きいコオロギは、子持ちコオロギ

「いかにも昆虫」という見た目のインパクトに、最初は少し戸惑ったが、食べてみるとさっぱりした肉の串焼きのような味で、美味しかった。表面のカリカリとした食感も心地良い。一度美味しさを体感すると、コオロギの見た目が気にならなくなった。

MUSHI-YA TOKYO uenoの近藤さんによると、同店の昆虫食は女性、子ども、外国人など、世代を問わず幅広い層に人気だという。

店の前で足を止め、興味深げに写真を撮る人も多いそうだ。食べようか迷っている人に対しては、食用に養殖した昆虫であることを説明し、安心して食べられることを伝えている。

ときには、罰ゲームとして昆虫を食べさせようとする人々が来ることがあるが、近藤さんはそういう消費のされ方に危惧を抱いている。店の前でじゃんけんをして、罰ゲームを始めようとしている人を見かけたら、止めているという。

「当店の昆虫は、味が良いし栄養価も高い。罰ゲームで食べるものではないですよ」と近藤さんは話す。

「罰ゲームで食べるような不味いもの」という誤解が広がったり、購入するまでのハードルが高かったりする昆虫食。MUSHI-YA TOKYO uenoは、「試しに食べてみたら、美味しかった」という体験を多くの人に提供する、昆虫食の普及活動の場として捉えているという。

「昆虫は無理をして食べるものではなく、食の選択肢の一つとして捉えてほしいです。多くの人に食べてもらって市場規模が大きくなり、昆虫食を安く提供できるようになれば、さらに多くの人に食べてもらえると思います。そういった一人一人の体験の積み重ねが、SDGsという大きな目標の達成に繋がると嬉しいです」

コオロギを食べていたとき、道行く人がチラチラこちらを見ていた。昆虫食が気になる人は多そうだ。ぜひ一歩を踏み出し、食べてみてはどうだろうか。

【参照サイト】昆虫食いかがでしょう?
【参照サイト】MUSHI-YA TOKYO ueno|レッツエンジョイ東京
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