NY、スクールバス運行ルートを最適化。遅延防止とバス運営の手間軽減へ

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海外の多くの国々では9月から新学期。米国では、幼稚園(キンダーガーデン)から高校卒業までの13年間、スクールバスに乗って学校に通う生徒も多い。2015~2016年の調査では米国全土で47万台以上のスクールバスが走っており、毎日2,600万人以上の生徒を乗せている。その中でも最も多くのスクールバスを運営するのはニューヨーク市教育局で、所有するバスの数は1万台以上、利用する生徒は毎日14万人以上にのぼる。

一方課題として、バスの遅延やキャパシティ等に対し、利用している生徒や保護者からひと月で13万件以上のクレームの電話を受けることもあり、利用者の満足度の低さが挙げられる。

このような課題を解決するためニューヨーク市教育局では、スクールバスの運行ルートを最適化するために、乗合システム「Via」の導入を決定した。

Viaはアプリを使った一般向けの乗合サービスだ。利用者が出発地点と目的地点のリクエストを送信すると、同じ方面に移動したい近くの利用者のリクエストとマッチングする。最も効率的なルートをシステム上で自動的に算出し、ドライバーに知らせる仕組みだ。生徒や保護者がバスの位置をリアルタイムでアプリ上から確認できるなど、利用者の利便性にも貢献する。

従来のスクールバス運行では、生徒の住所等のデータベースから9,000以上のルートを手動で作成・運用しており、一度決めたルートを変更することが難しかった。さらに、ニューヨークの公立学校に通う生徒の10人に1人がホームレスシェルターなどの一時滞在施設に住んでおり、彼らの住所の移り変わりが激しいことで、ニューヨーク市教育局は最適なルートを作成しづらくなっていた。

Viaを利用することで、データベース上で生徒の住所を変更するだけで最適なルートが算出されるだけでなく、道路状況や天候などを踏まえたルートを毎日算出することが可能だ。バスに乗れない生徒を出すことなく効率的なルートで運行ができるので、満足度の向上と運営の効率化が実現できる。

米国で最も多くのスクールバスを運用するニューヨークが教育分野で初導入となり、成功すれば全国的な展開が期待されている。

Uberなどの配車サービスと異なり、Viaのような乗合サービスは公共交通機関のような役割がより大きい。効率化によって運用コストが下がれば、より多くの人がサービスのメリットを享受できるだろう。Viaを日本で提供予定のVia Japan社への日本企業の投資も進んでおり、日々の移動ニーズに応えるスマートモビリティが実現する日も近いかもしれない。

【関連サイト】New York City’s school buses will now be automatically routed and tracked using Via’s algorithm
【関連サイト】SCHOOL TRANSPORTATION: 2015-16 SCHOOL YEAR
【関連サイト】Via
【関連サイト】伊藤忠商事、乗合システム提供のVia Mobility Japan社へ戦略的事業投資