人口が増え続け、世界中の都市で発展が進んでいる。その一方で自然は危機に瀕し、現時点で100万種以上の動植物の種が、かつてないスピードで絶滅に近づいている。
2019年7月ICUN(国際自然保護連合)が発表したレッドリストによると、ICUNが評価対象とした10万5000種のうち、約2万8千種が絶滅の危機にあるという。複数の動植物が絶滅すると生態系のバランスが崩れ、自然環境全体にまで影響を与えてしまうこともあるため、ICUNは2030年までに人間の活動のために絶滅する動植物を減らすことを各国政府に呼びかけている。
そんな中、フィンランドの塗料メーカーTikkurila(ティックリラ)が、絶滅危惧種の動物の色を表現した塗料「Endangered Colors」を新たに発表した。この商品が1つ売れるごとに、1ユーロが動物保護活動に寄付されるそう。ロシアや中国、エストニア、ラトビア、リトアニアで2020年に発売予定だ。
Endangered Colorsの色は9種類。
- ジャイアントパンダ Black
- アムールトラ Orange
- シロフクロウ White
- サイマーアモンアザラシ Grey
- ソウゲンワシ Brown
- テナガザル Grey
- スマトラオランウータン Orange
- ベタ・スプレンデンス Blue
- レッサーパンダ Red
パッケージに該当する動物の写真がついた、ユニークなカラー名が並ぶ。
またTikkurilaは「使いやすく、環境的に持続可能なソリューションを提供する」というミッションを掲げていることもあり、今回の登場した製品自体もリサイクルプラスチックのパッケージに、低公害の水性インクなど環境に負荷がかかりにくいように作られている。
室内の塗装などさまざまな場面でつかう塗料で、動物の現状を知らせるというアイデアは世界でも珍しい。
社会が発展していく中で、どうしたら環境や生態系を守ることができるのか。いち消費者として何をすれば良いのかわからない人も多いかもしれない。できるだけ省エネをしたり、環境保護をする団体の支援をしたりという方法もあるが、Endangered Colorsなどのユニークなエコ商品を日常に取り入れてみるのも良いだろう。
【参照サイト】Endangered Colors collection
【参照サイト】IUCN calls for halt to species decline by 2030
【参照サイト】2019年「レッドリスト」更新 世界の絶滅危惧種は28,338種に