農業分野の廃棄は、世界で年間9億9千800万トン。生産された農作物の最大25%が、出荷されずに廃棄されている。その多くが、味や品質は問題ないが、形が他の野菜と不揃いな「規格外」の野菜だ。また、食品加工場では仕入れた農作物の10~40%が加工の過程でゴミとなる。
この「廃棄」をうまく活用する方法はないだろうか。住生活関連サービスを提供する株式会社LIFULLは、規格外野菜や余剰野菜を使ったスムージーサービス「Clean Smoothie(クリーンスムージー)」の提供を法人向けに行っている。
Clean Smoothieは、形の悪さや納期遅れを理由に、廃棄せざるを得ない野菜や果物をスムージーにして、毎月2回オフィスに届けてくれるサービスだ。食品ロスを減らすと同時に、野菜が不足しがちな従業員の健康状態を向上させることがこのサービスの目的である。
2019年10月には、メニュー監修に菜園料理家の藤田承紀シェフが就任。福祉レストラン「らんどね空と海」シェフである藤田氏は、環境省の「つなげよう支えよう森里川海」プロジェクトアンバサダーを務め、他にもメディア出演、レシピ開発、料理学校講師等などで活躍をしている。今後は、同氏のオリジナル・レシピによるスムージーパックが届けられる。
せっかく作った食べ物が、食べられずに捨てられてしまうのは何ともモッタイナイ。農業廃棄物そのものは有機物のため、他の産業の廃棄物と比較すると環境負荷は大きくないのだが、それでも腐敗臭や土壌汚染、河川汚染といった問題を引き起こす場合がある。
廃棄を減らし会社従業員の「カラダ」も「ココロ」もクリーンにするという願いから命名された「Clean Smoothie」。オフィスで働く人も、畑で働く人もハッピーになるサービスだ。
【参照サイト】Clean Smoothie
【参照サイト】International Journal of Engineering and Management Research
【参照サイト】BioSynEnergy