大手飲料メーカーのサントリーが、長野県大町市に建設予定の「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」を、同社で初めての「CO2排出ゼロ工場」にすることを発表した。
2021年春に稼働予定の同工場では、省エネ推進や再生可能エネルギー導入、バイオマス燃料を用いたボイラー導入、CO2排出をオフセットするカーボンクレジットの活用などにより、製造工程におけるCO2排出量を実質的にゼロとする。
年間販売数量1億ケース超えのサントリー天然水は現在、南アルプス(山梨県)、阿蘇(熊本県)、奥大山(鳥取県)の3地域で製造されている。今回新たに水源を探したのは、水のさらなる安定供給につなげるためだ。60を超える候補地の中から、サントリー天然水ブランドにふさわしい新たな水源として長野県大町市が選ばれた。
北アルプスの麓に位置する大町市は、古くから豊かな水の地としても知られており、現在も市内の上水道は全て自然の湧水でまかなわれている。また、この地の天然水は北アルプスの山々に磨かれることで適度なミネラル分を含み、クセがなくすっきりとした飲み心地だという。
サントリーは「水と生きる」を社会との約束に掲げ、すでに全国のさまざまな地域で、水資源を育む自然環境の保全活動や次世代環境教育を行っている。今回、工場でのCO2排出量ゼロを目指すことは、サントリーがこれからも水と共に生き続けるための投資でもある。
新たに作られる工場では、美しい眺望の北アルプスや豊かな自然に恵まれる大町市の魅力を生かして、より自然を感じられる遊歩道や、サントリー天然水ができるまでの過程を体感するシアタルームと見学通路、北アルプスの山々を前にサントリー天然水を試飲できる展望テラスなど、サントリー天然水のブランド体験型施設も設けられる予定だ。この施設が長野県の新たな魅力の一つとなることで、地域活性化にも期待されている。
省資源・省エネルギーを追求し、循環型・脱炭素社会の実現を目指すサントリー。生きるために不可欠な水資源を守る環境保全活動が進むことで、それらの経済合理性や社会の環境リテラシーが高まり、環境を大切にする文化が当たり前になっていくことを期待したい。
【参照サイト】「サントリー天然水」新工場の名称は「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」
【参照サイト】「サントリー天然水」が長野県大町市に新生産拠点 “清冽な天然水”のブランド体験ができる場に