飛行機に乗ると、さまざまな使い捨てアイテムが提供され、その結果たくさんのごみが出てしまう。2014年の調査によれば、1回のフライトにおける廃棄物は、乗客一人あたり平均1.43㎏にも上る。別の調査によれば、航空機から出る廃棄物のうち、33%が食品廃棄物、28%が段ボールと紙の廃棄物、12%がプラスチックゴミだという。
多くの航空会社が環境負荷を減らすため、ストロー、カトラリー、食品包装などを、プラスチック製のものから生分解性原料で作れらたものに切り替えるといった取り組みを進めてきた。そんな中、ニュージーランド航空は、そもそもゴミを出さないユニークなアイデアの導入を、先月から試験的に開始した。それは「食べられる」コーヒーカップである。
コーヒーカップを開発したのは、ニュージーランド企業のtwiice。飲み物を飲むのにかかる時間以上はもつように作られており、液体が漏れる心配もない。食品添加物や防腐剤を使用せず、ただ食べられるだけでなく味も美味しいという。現在は飲み物の風味を邪魔しないバニラフレーバーがついているもののみだが、チョコレートフレーバーがついたものやグルテンフリー版も開発中だ。さらに、出荷用の袋や箱なども堆肥化できる。
twiice共同設立者のジェイミー・キャッシュモア氏は、「ニュージーランド航空と提携し、世界中のお客様に向けて、ニュージーランド流のちょっとした創造力が、“食べられる”カップとして環境にとてもよい影響を与えることをお伝えすると同時に、非常にクールかつおいしい顧客体験をご提供できるのは、素晴らしいことです」 と述べた。
ニュージーランド航空はまた、機内やラウンジへのマイカップ持ち込みも推奨し、廃棄物削減への協力を呼びかけている。
ニュージーランド航空の一部のフライトで提供される、食べられるコーヒーカップ。廃棄物を削減できるだけでなく、新しいフライト体験を私たちにもたらしてくれそうだ。
【参照サイト】Airline Food Waste Is a Problem. Can Banana Leaves Be Part of the Solution?(The New York Times)
【参照サイト】Here’s how airlines are fighting against the 6.7 million tons of cabin waste passengers produce every year
【参照サイト】Air New Zealand launches coffee cups you can eat to reduce onboard waste
【参照サイト】twiice
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