廃棄物ゼロと共に「飢餓ゼロ」を掲げる米国最大手スーパーチェーン

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2015年のOECD調査によると、米国の貧困率は17,8%。17才未満の子供の貧困率は21%で、5人に1人の子供たちが貧困に苦しんでいる。そして、貧しいために日々の食事に困っていたり、栄養のある食事がとれなかったりする人がいる一方で、米国では食品の40%が廃棄されているという現状もある。

このような状況を受けて、45万人の従業員を抱える米最大手スーパーチェーンのクローガー(Kroger)が、2025年までの達成を目標として食品のゼロウェイストと共に「ゼロハンガー(飢餓ゼロ)」を掲げた。本記事ではゼロハンガーに着目し、クローガーの計画と実際の試みについてご紹介したい。

ゼロウェイスト・ゼロハンガー

(c) Kroger

クローガーは人の精神を養い、他の人の生活に良い変化をもたらすことを経営目的としているスーパーだ。ゼロハンガー達成に向けて、1000万ドル(約10億9600万円)の基金をもとにThe Kroger Co. Foundationと呼ばれる財団を設立した。食料の寄付を加速し、2020年に全米で10億食、2025年までに30億食の寄付を予定している。生鮮食品の寄付プログラムを拡大し、バランスのとれた食事を提供することで、人々の健康を支えるという。

さらに同社は、公共政策による解決法を行政に提唱し、全国的に食料供給を行うNPO団体Feeding AmericaやWWFといった、飢餓防止を専門とするパートナー団体と協力しながら、洞察および分析を行っていく。以上が今回クローガーが発表した取り組みの計画だが、今後は運用状況とともに、柔軟に対応していくとのこと。

Zero Hungerに向けた取り組み

現時点でクローガーがすでに実践してきたゼロハンガーへの取り組みは二つある。

ひとつは、カルフォルニア州ラ・ハブラ市の「ラ・ハブラ・ベーカリー」の運営だ。当ベーカリーは、過去8年間ホームレス慈善団体に寄付を行っており、現在ゼロハンガーの一環としてパンを寄付し、 毎月200人以上の困っている人々に食事を提供している。毎週末、慈善団体で開催される食事会には子供から大人まで多くの人が集まる。

もうひとつは、オハイオ州コロンバス市近郊での取り組み。ここでは、オハイオ州中東部の貧困に苦しむ住民に1日15万品もの食品を提供しており、食料を必要とする人が新鮮な果物や野菜や乳製品などを無料で手に入れることができる場所となっている。このプロジェクトは、オハイオの慈善団体Mid-Ohio Foodbankとの4年にわたるパートナーシップの実例だ。

コロンバス市のクローガーの買物客は、会計の際に最も近いドルに切り上げて支払うか、レジに置かれた募金箱に寄付することでゼロハンガー・ゼロウェイストを支援できる。2017年、同社の顧客はこれらのプログラムを通じてMid-Ohio Foodbankに約180万ドルを寄付するという大きな成果をあげている。

クローガーは、「ゼロハンガー・ゼロウェイストという大きな目標は1人だけでは達成できない。全社およびパートナーみんなで協力して行っていきたい」と発表している。

貧困と飢餓、食料廃棄という社会問題を改めて見つめ、顧客も気軽に参加できるクローガーのゼロハンガー・ゼロウェイスト。米最大手のスーパーチェーンが行うプロジェクトということで、今後、社会にいい刺激をもたらしていきそうだ。私たちも、まず身近なところから生活を見直したり、人と協力して何かを成し遂げたりといった志を新たにしたい。

【参照サイト】Zero Hunger | Zero Waste
【参照サイト】2015年OECDデータ
(※画像:Krogerより引用)