英ブリティッシュ・エアウェイズが日本発の電動車いすを導入。空港内の安全で快適な移動をみんなに

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足腰への障がい、そして目に見えない障がいを抱えた人にとっての移動は、私たちの想像を超えた苦労を要する。イギリス最大の航空会社ブリティッシュエアウェイズ社は、毎年約50万人の顧客が空港内移動における追加支援を必要としており、2021年までにこの数は10%増加するとの予測を発表している。

そこで同社は今回、ニューヨークのJFK空港で最先端の完全自律型車椅子を使い、顧客が人の助けを借りずに自由に移動するための支援を開始した。この試みは、体に障がいを持つ人にシームレスな旅行体験を提供することを目的とし、「旅行のとき、空港で自分で安全に行動したい。」という、顧客の声に応えるべくスタートしている。

ブリティッシュエアウェイズが導入するインクルーシニビティ

(c) British Airways

ブリティッシュエアウェイズ社が提供する完全自律型車椅子は、長距離を歩くのは難しいが、自分の車椅子を携帯していない顧客を対象として、チェックインから搭乗ゲートまでを快適にナビゲートするものだ。衝突防止技術が搭載されており、搭乗ゲートに向かう途中で何度も目的地を変更できるため、利用者は安全かつ自由に空港内を移動できる。利用者がゲートに到着すると、車椅子は自動で次の利用者のための所定位置に戻る。

この完全自律型車椅子を製作したのは、横浜のWHILL社。同社は、すべての人の移動を楽しくスマートにするべく、デザインとテクノロジーに優れた車椅子を製造している。

ブリティッシュエアウェイズが導入するインクルーシニビティ

(c) British Airways

現在、ブリティッシュエアウェイズ社は障害をもつ顧客の旅行奨励を目的として65億ポンド(約8,900億円)の投資プログラムを実施している。当プログラムはすでに、旅行前から旅行後までをサポートする専門アクセシビリティチームを設立し、アクセスニーズを持つ旅行者の顧客満足度を2倍以上高めることに成功。今回の自律型電動車椅子の導入も、当チームが考案した。今後数か月はさらなる試用運転を行ってフィードバックを集め、カスタマーサービスチームとともにこの技術導入について調査を行う予定だ。

旅行仲間や空港スタッフなどの助けを借りなくても、自由で安全な空港内移動を可能にしてくれる自律型電動車椅子。多くの人に満足感と快適さを提供するモビリティの今後に期待したい。

【参照サイト】BRITISH AIRWAYS LOOKS TO THE FUTURE OF INCLUSIVE INNOVATION AS IT TRIALS AUTONOMOUS MOBILITY DEVICES
(※画像:British Airwaysより引用)

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