通勤や通学、ちょっとした外出やスポーツのときなど、多くの人が飲み物を持っていくだろう。しかし水筒は持ち運ぶには少し重く、使用後には洗う必要もあり、また処分するのも大変そう。そんな悩みから、ペットボトルのドリンクを買っている人も多いかもしれない。
このような水筒ならではの不便さを解決するべく、ブルガリアに本拠を置くDiFOLD社が、折り畳んで持ち運べる水筒「Origami Bottle」を開発した。日本の折り紙の技術を取り入れたおしゃれなデザインだけではなく、地球にやさしい素材を使い、質を落とさずに何度もリサイクル可能なことも特徴だ。現在クラウドファンディングを行うサイトKickstarterでキャンペーン中。すでに2,600人以上の支援者から1300万円を超える資金が集まっている。
サイズは高さ21cm、直径7,6cmで容量は750ml。たっぷり水を入れられるが、折り紙をモチーフとした特許申請中のデザイン技術により、折り畳むと体積が5分の1になる。頑丈ながらも重量は120gと軽量で小さなハンドバッグにも入れることができ、蓋に付いている取っ手とカラビナ(開閉できる部品のついた金属リング)を使ってズボンに装着することも可能だ。
蓋と蓋に付いている取っ手はステンレス製で、水筒本体には品質を大きく劣化させることなく何度もリサイクルできるTPCポリマー(ポリエステル系熱可塑性エラストマー)を使用。有毒物質やBPA(人体への悪影響が懸念される化学物質)は含まれておらず、イヤな味や匂いもしない。すでにFDA(アメリカ食品医薬品局)認証を受け、EU1935/2004(欧州における食品接触材料の管理規則)もクリアしている。
安心して使用できる上に、ブラシや食洗器の使用が可能、飲み終わった後もしっかりキレイに洗えるつくりなのも魅力的だ。
DiFOLD社が掲げる使命は、「使い捨てプラスチックに終わりを告げ、再利用できて折り畳める持続可能なデザインを容器業界にもたらすこと」。これまで使い捨てられていた容器を再利用できるものにすることや、大容量サイズのOrigami Bottleを作ることで、より効率的で環境にやさしい形でのモノの運搬も目指す。
同社の2020年の目標は、3万本の折り紙水筒を販売し、5年間で1,200トンのプラスチックに相当する8,200万本のペットボトルを削減すること。将来はOrigami Bottleをリサイクルして新しい水筒を作る計画中で、今回のクラウドファンディングで資金調達に成功すれば、バイオベースの水筒の製作も発表している。
以前、IDEAS FOR GOODでは折り畳めてポケットに入るマイカップ「HUNU」を紹介した。そして、今回折り畳める水筒「Origami Bottle」が登場したということで、小さくて持ち運びやすいということが、今後マイカップや水筒を買うときの基準のひとつになるかもしれない。
価格は30ドル(約3,220円)からで日本へも送料別で配達してくれる。色はピンク、緑、水色の3色が用意されており、オシャレなデザインで職場にもちょっとした外出にもピッタリだ。日本の伝統工芸である折り紙の技術を使った便利な水筒Origami Bottleで、地球にもう少し優しい生活ができそうだ。
【参照サイト】Origami Bottle! Revolutionary space-saving bottle by DiFOLD