性も、ファッションも自分で選ぶ。台湾の“ジェンダーフリー”な制服

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2020年秋に台湾・台北で開催されたファッションウィーク。個性的なデザインが並ぶ中でひと際目を惹くのは、性別に関係なく着られる「ジェンダーフリー」な学校制服だった。

デザイナーのアンガス・ジャンと世界的な広告代理店のOgilvy台北が手がけた「Project UNI-FORM」は、学生たちの多様性と個性を尊重しようというメッセージを広めるためのプロジェクトだ。これは、2019年に台湾のNew Taipei Municipal Banqiao高校の生徒たちが、性別のステレオタイプを打ち破ろうと「異性の制服を着て」開催したイベントからインスピレーションを受けている。

フードやスカートが着脱可能なもの、服のシルエットを変えられるゴム紐がついているものなど、青と白を基調にした11着の制服は組み合わせや着こなし次第で多様な楽しみ方ができる。男子はスラックス、女子はスカートという固定観念に縛られることなく、自分好みのスタイリングを追求できるのだ。

「ありのままの君でいて。自分に誇りを持とう」というメッセージを打ち出すProject UNI-FORMの公式サイトには「男女という2つのジェンダーの枠を超えたジェンダーの平等が尊重され、教育される時がきた」と記されている。多様な選択ができるこの制服をきっかけに、あらゆるジェンダーへの理解が進み、それぞれのあるがままを尊重しあえる社会になるかもしれない。Project UNI-FORMはそんな希望を感じさせるプロジェクトだ。

自由度の高い制服は、「自分らしさを大切にするとは何か」を考えるきっかけになるだろう。近年は、日本でもスラックスやリボン、ネクタイが自由に選べる学校があるが、これからはただ選択肢として“ある”だけでなく、それを選択“しやすく”するための教育も行っていく必要がある。

【参照サイト】Project UNI-FORM
Edited by Kimika Tonuma

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