地元の本屋さんを救う「オンライン書店」とは?

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本を読む人が増えるには近くの図書館や本屋、家の書棚など、様々な場所で本に出会う機会があることが大切だ。ところが、国内ではここ20年ほど書店数が減少し続けており、1990年代後半に約23,000店あった書店が2020年には約11,000店になっている。「本屋という場所を守りたい」と思ったとき、私たちにできることは何かあるだろうか。

2020年1月にアメリカで始まったオンライン書店の「Bookshop」では、ユーザーがオンラインで本を購入することで、アメリカ各地にある独立系書店の懐を潤すことができる。同サイトでは各書店がバーチャル店舗を構えることができ、そこで本が売れるたびに定価の30%を受け取ることができる。なお、定価の30%とはすべての利益が書店に行くことを意味し、Bookshopは書店の売上で稼ぐことはしていないという。

Boos shop

Image via Bookshop

もしあなたに応援したい特定の書店があるのなら、サイト上で「FIND A BOOKSTORE(書店を探す)」のボタンをクリックし、目当ての書店を地図から探すことができる。書店が見つかればその店のページに飛び、店がおすすめする本などを見て回ることが可能だ。特に贔屓の本屋がなくてもサイトで本を購入すれば、独立系書店という文化を守る力になれる。

11月上旬時点で、同サイトにはアメリカの書店が900店以上登録されている。また、11月上旬からイギリスでもサービスを開始したところ、すでに130店以上が登録。2020年末には200店ほどにまで増えると期待されている。11月半ば時点で、同サイトから合計で約810万ドル(約8億4,000万円)が書店に届けられており、運営者には書店からの感謝の言葉が絶えず届くそうだ。

Bookshopは11月現在、アメリカのNPO団体が認証する「Bコーポレーション」の取得を目指しており、経営陣は経済的利益だけでなくコミュニティを守るという社会的利益も等しく追求している。同社は「会社をアメリカの大手小売業者に売ってはいけない」というルールを定め、米アマゾンなどによる買収を防いでいるという。

Bookshopのようなサービスが、街の本屋さんを支える仕組みをつくり、ひいては出版事業全体を元気にすることができるといい。

【参照サイト】 Bookshop

Edited by Erika Tomiyama

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