口元が開く「着けたまま飲食できるマスク」。障がい者や介護者の負担を減少

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多くの人にとって必需品となったスマートフォン。それと同じくらい、どこへ行くときにも欠かせないものとなったのがマスクだ。新型コロナウイルスが私たちの生活に現れて半年以上経った今、マスクがある生活は「当たり前」になりつつある。しかし多くの人々がそんな新しい生活に慣れ始めている一方で、マスクによって「生きにくさ」を感じている人たちがいる。障がいを持つ人や介助者にとっては、特に飲食のとき、マスクを着用したり外したりという行為が人一倍大変であり、マスク生活はストレスフルなモノとなっている。

そんな人たちが少しでも楽にコロナ対策をできるようになったら……そんな願いを込めて作られたマスクが、着用したまま吸引や食事等ができる「コオフクマスク」だ。「グローバルワーク」「ニコ アンド」「ローリーズファーム」などのファッションブランドを展開する株式会社アダストリアが、脊髄性筋萎縮症の当事者と学生を含む一般の方と共に開発した。

コオフクマスク

image via アダストリア/ コオフクマスク

通気性に優れたトリコット生地を採用し、口鼻周辺を立体構造にすることで空気の抜け道を確保したマスクは、飲食をする際に何度も着脱する必要がないようにつくられている。種類は、マスクの一部が簡単にめくれるものと、口元周辺にスリット、側面にマジックテープが付いた2種類。介助の際に何度もマスクを着脱するよりも負担が少ないほか、繰り返し洗濯して使うことができるので衛生面の心配もない。

さらに、商品のデザインも特徴的だ。渋谷で暮らし、働く、障がいのある人が描いた文字や絵をデザインした渋谷区公認のパブリックデータ「シブヤフォント」が商品の一部に取り入れられており、シブヤフォントを使用した商品の売上金の一部は、渋谷区内の障がい者支援事業所に還元される。その他、今回販売するマスクの売上金の一部は、ファッションが持つ新たな発想と自由なアイデアで社会課題の解決と認知拡大を目指す任意団体『コオフク』が進めるプロジェクト「CO-FUKU masQ/コオフクマスク」に寄付される予定。

障がい者マスク

image via アダストリア

障がい者の方と共同開発されたマスクとマスクケース、洗濯ネットとショルダーポーチが、2020年11月20日(金)から自社WEBストア.stと都内期間限定イベントスペースにて順次発売されている。

「Play fashion!」をミッションに掲げ、「ファッションのワクワクを、未来まで。」をCSRポリシーとするアダストリアが注力するテーマの一つが「人を輝かせる」だ。たかがマスク、されどマスク。誰ひとり取り残さない、みんなが輝ける社会に向けて新たな価値を創造し続けることが大切なのかもしれない。

【参照サイト】アダストリアが障がいがある人が抱えるおしゃれの悩みを解決する「コオフクマスク」を製品化

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