コンサルティングファームのアクセンチュアの調査によると、サーキュラーエコノミーに移行することによって、2030年までに4.5兆ドル(480兆円)もの経済効果が想定されている。
サーキュラーエコノミーとは、従来の「Take(資源を採掘して)」「Make(作って)」「Waste(捨てる)」というリニア(直線)型経済システムのなかで活用されることなく、廃棄されていた製品や原材料などを新たな「資源」と捉え、ごみを出すことなく資源を循環させる経済の仕組みのことを指す。IDEAS FOR GOODでは今年のはじめから半年にわたってサーキュラーエコノミー先進都市の事例を紹介する「欧州サーキュラーエコノミー特集」も行い、サーキュラーエコノミーのキーワードに注目してきた。
本記事では、日頃から世界のソーシャルグッド事例を配信するIDEAS FOR GOODが、2020年に注目したサーキュラーエコノミー事例をまとめてご紹介する。
2020年、話題になったサーキュラーエコノミーのアイデア10選
01. 循環のヒントがたくさん。オランダのメガバンクが建てたサーキュラーエコノミー複合施設「CIRCL」
02. アムステルダムの官民一体型サーキュラーエコノミー実験区「De Ceuvel」
03. 壊すときのことを考えて建てる、オランダの建築物
04. サーキュラーエコノミーの起業家・資源・知識・ネットワークが集まる施設
05. 環境と経済に「人」もプラスする。日本国内のサーキュラー都市、横浜
06. ジップロック®︎をリペアラブルな傘にアップサイクル
07. 地域を“発酵”させる公共コンポスト
08. ホームレスの人々を雇う香港の古着屋カフェ
09. 服から服をつくる、サーキュラーエコノミーD2C
10. 廃棄物を可視化し、サーキュラーエコノミーを加速させるアプリ
まとめ
いかがだっただろうか。サーキュラーエコノミー先進都市アムステルダムの事例から、日本国内の事例まで紹介してきた。ジップロックを再利用可能な傘にアップサイクルするアイカサや地域を発酵させる公共コンポスト、服から服を作るD2Cブランド──どれもユニークで、誰かに教えたくなるようなアイデアだ。
2020年はこれまで以上に「サーキュラーエコノミー」という言葉を見かける機会も増えたのではないだろうか。2021年も引き続き、サーキュラーエコノミーは注目すべきキーワードとなるだろう。アイデア一つで、ごみのない世界を作る。そんな事例を、引き続きお届けしていきたい。