使われない輸送用コンテナがプールに変身。北米で広がる新たなスペース活用法

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コンテナによる海上輸送のはじまりは1956年に遡る。アメリカ・ニュージャージー州のニューアーク港で58個から始まったコンテナ輸送は、国土交通省の調査によると、2018年時点には全世界で​​7億9,266万TEU(※1)もの数まで増加しているという(※2)

※1 TEUとは、20フィートコンテナ1個分を表す、海上コンテナ輸出入の際に用いられる国際的に統一された単位のこと。

コンテナの登場は、運送や荷役を高効率化し陸上輸送との連携もスムーズにするなど、多くの課題を解決し、物流の世界に革命を起こした。その一方で、輸出入の需要と供給の不均衡によって発生する空のコンテナの行方に各港、頭を悩ませている。

衣類やコンピューターなどを乗せて中国から北米に送られるコンテナは、多くの場合元の場所に戻ることがないとModpoolsの創業者Rathnamは言う。北米から中国に輸出するものは少ないため、元の場所に戻す場合、空のまま輸送することになるからだ。それではエネルギーもコストも余分にかかってしまう。中国側もコンテナの返送を望まないようで、リサイクルを待つ一度使われただけの空のコンテナが北米には存在するのだという。

そういった空コンテナを建築や倉庫にリサイクルして継続利用するケースは今までも見られたが、今回取り上げるModpoolsは「自宅に置けるプール」という新しいコンテナの使い方を提案している。

 

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Modpoolsでは、コンテナを庭のスペースに合ったサイズにするため、必要に応じて切断や溶接、また要望に沿って階段やジャグジーなどを付けることも可能だ。設置も1日で可能で、通常のプールのように掘削を行わずとも地上にそのまま設置できるので簡単だ。

新型コロナの影響で自宅で過ごす時間が増えたこともあり、Modpoolsの需要は上昇し、現在までに北米でおよそ800個のコンテナプールが設置されたという。

建材などの商用利用と、自宅のプールといった一般利用。どちらか片方だけでなく、両軸で使い道を考えていくことが、ごみとなり得るものに、新たな命を与える可能性を広げていくのだろう。

※2国土交通省 世界の国・地域別コンテナ取扱個数ランキング

【参照リンク】国土交通省 世界の国・地域別コンテナ取扱個数ランキング
【参照リンク】Modpools

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