高齢者が生き生きと働ける場を。おばあちゃんたちがお菓子作りを教えるオンラインレッスン

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世界保健機関(WHO)によると、世界の60歳以上の人口は2019年に10億人になり、2030年には14億人、2050年には21億人になるという(※1)

老後をどう生きるか、そして高齢者とどう共生するか、私たちは今後も考えていかなければならないだろう。

高齢者の貧困はすでに社会問題になっている。オーストリア統計局の2020年のデータによると、同国で貧困の危機にさらされている65歳以上の高齢者が21万6千人いるという。このうち男性は7万1千人、女性は14万5千人だ(※2)。貧困問題の他に、高齢者の社会的孤立や世代間交流の機会の減少といった課題もある。

オーストリア・ウィーンのカフェ「Vollpension café」は、高齢者の経済的自立を支援し、彼らに生きがいを持ってもらえるよう、ケーキ作りから接客まで担当する多くの高齢者を雇用してきた。それぞれが自慢のレシピを持ち寄り腕を振るう、おじいちゃん・おばあちゃんの家のような雰囲気のカフェだ。

Image via Vollpension

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2012年にポップアップストアとして始まったVollpension caféは、やがて実店舗を構え、2019年には2店舗目もオープン。最年少の従業員は20歳、最高齢の従業員は84歳というインクルーシブな職場で、数十人もの高齢者が働いた。コロナ禍が始まる前は、年間20万人ものお客さんがカフェを訪れていたという。

コロナ禍によって店は打撃を受けたが、2020年10月からは、高齢者がお菓子の作り方を教えるオンラインライブレッスンの提供を開始。100本以上のレッスンを開催し、500人以上の受講者が集まったという。高齢者がデジタルスキルを身に付ける、良い機会になっている。

Image via Vollpension

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この経験を活かし、2021年には高齢者のオンライン講師を追加募集。さらに250人の高齢者を採用することを目指している。

できる限り多様な言語でレッスンを提供したいという考えで、講師は世界中から募集した。高齢者が生き生きと働ける場が、デジタル空間に広がっていくのが楽しみだ。

コロナの影響を受けながらも、高齢者が新しいことに挑戦する姿勢にはたくましさを感じる。オンラインレッスンで学べるお菓子は、ザッハトルテやジンジャービスケットなど様々だ。あなたは、おじいちゃんやおばあちゃんにどんなお菓子を習いたいだろうか。

※1 Ageing (who.int)
※2 Poverty and Social Inclusion
【参照サイト】 Welcome to Vollpension!

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