いつもトイレに流している尿。体から出ていく尿を気にかける機会は少ないかもしれないが、尿の色で脱水症状をチェックするなど、自分の体の状態を知ることもできる。
日々の生活の中で、そんな尿への関心を膨らませる方法はないだろうか。
フランス発のヘルステック企業であるWithings(ウィジングズ)は、2023年1月、自宅のトイレの便器に取り付けるだけで尿検査ができるデバイス「U-Scan」を発表した。体内の水分バランスや栄養状態を日常的に知らせることで、人々に健康づくりの意識を高めてもらおうとしている。
直径9センチのU-Scanはスタイリッシュなデザインをしており、その宣伝動画などを見ると、排泄物に対する私たちの意識がポジティブな方向に変わりそうだ。
同社によると、尿に含まれる代謝物は3千以上。それだけ多くの情報を含み、食や栄養に関する気づきを与えてくれる尿を、ただの不要物として捨てるのは、少しもったいないかもしれない。U-Scanは、排泄物の価値向上に貢献するデバイスではないだろうか。
排泄というデリケートな領域のことが、自宅のトイレと自分のスマートフォンで完結するプライベート感が、人々に好まれそうだ。
また、同社によると、患者のデータを遠隔モニタリングしたい医療関係者がU-Scanを使うこともできるという。さまざまな活用方法に期待したい。
U-Scanはまず、2023年半ばにヨーロッパで販売される予定だ。手を汚さずに尿検査ができ、ほぼ全ての洋式トイレに取り付けられるというU-Scan。さまざまなウェアラブルデバイスのように、健康管理ツールとして普及するかもしれない。
【参照サイト】Withings | U-Scan
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