厚生労働省によると、日本のひとり親家庭数は134.4万世帯(※1)。「ひとりで子育てをしていて大変な思いをしている人の力になれたら」そう思ったとき、どのような方法があるだろうか。
アイルランドで暮らす母親のベッツィ・コーンウェル氏は、ひとり親の人に向けて、自宅のスペースを1週間無料で貸す取り組みを行っている。滞在したい人を不定期に募集し、選ばれた人が、ささやかなもてなしを受けながら彼女の家に滞在できる仕組みだ。自身がシングルマザーとして苦労をしてきた経験を持ち、「他のひとり親の人たちをサポートしたい」という想いから始めたという。
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この取り組みの目的は、ひとり親の人に、心と体を休めてもらうこと。だから子どもと一緒に来ても良いし、自宅に置いてきても良い。滞在期間中、子どもの世話をしてくれるチャイルドケアサービスを頼むための費用として、250ユーロ(約3万7千円)も支給される。
同氏は、この取り組みのために寄付を募ったり、オンラインで有料のワークショップを開催したりしている。こうして集まったお金を使い、小規模なプログラムを運営しているのだ。とはいえ、まとまった期間をリラックスにあてるには、この金額と期間では十分ではないと感じる人もいるかもしれない。コーンウェル氏は、子どもの世話に関して、他の方法を模索したいとも思っているそうだ。
この無料で部屋を貸し出す取り組みのほかにも、コーンウェル氏は普段、Airbnbで部屋を有料で貸してもいる。同氏の家は、これまで編物の工場や映画館として使われてきた、長い歴史のある建物だ。家の窓からは水辺が見え、穏やかに過ごせそうな印象を受ける。
ひとり親当事者であるコーンウェル氏が、「こういうサポートがあると嬉しい」と願ったことを実践している、この取り組み。ひとり親の人が休息できる環境を提供することも、大切なサポートだということを実感できる。
※1 令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要
【参照サイト】The Old Knitting Factory
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