IDEAS FOR GOODでは、創造的なアイデアやコミュニケーション、ビジネスモデルの創出を通じて気候危機に立ち向かうプロジェクト「Climate Creative」を株式会社メンバーズとともに実施しています。 Climate Creative Cafeでは、気候危機に関する課題解決に向けて、さまざまな業界や組織・立場における1人1人のクリエイティブなアプローチに着目し、参加者の皆さんと共に実際のアクションへとつなげていきます。(過去のイベント一覧)
第17回のテーマ「ユーザー行動とサーキュラービジネスモデル」
従来の大量生産・大量消費モデルから脱却し、「所有」から「利用」へのパラダイムシフトが起こる中、身の回りではサブスクリプション型のサービスやシェアリングサービスなどの新しいサービスが次々と生まれています。
こうした変化に伴い、企業が持続可能性を実現するための手法として、再生可能な素材の活用やPaaS(製品のサービス化)、リペア(修理)、リユースのための回収システム構築など、さまざまなサーキュラーデザイン戦略が注目されています。その中で、企業はどのようにビジネスモデルを選択し、サービスを設計していけばよいのでしょうか。
業界・業態ごとの得意・不得意を踏まえて、収益性が見込めるビジネスモデルを選択するのはもちろんのこと、環境影響評価を得るLCA(ライフサイクルアセスメント)などを通じて、その循環が本当に環境負荷を減らすことにつながるのかを検証する必要があります。
そして、その検証にあたって必要となるもう一つの視点は、その循環型ビジネスモデルは「生活者が望ましい行動を自然と取ることを前提としていないか」ということ。
サーキュラーエコノミーへのシフトにおいて、生活者による行動変容は当然必要です。しかし、いくらモノが循環するサービスだとしても、それが日常に当たり前のように溶け込み、行動に組み込まれるものでなければ、循環行動は実現しません。「サーキュラーデザインでユーザーの体験を向上させ、環境負荷を下げる」という目的を果たすため、どのようなサービスデザインが必要なのでしょうか。
今回は、ゲストとして東京大学大学院工学系研究科・特任准教授の木見田康治さんをお迎えします。木見田さんは、ファッションのサブスクリプションサービスや建設用機械・工具のPaaSといった循環型ビジネスモデルのLCAなどを通じて、「どのような業種・業態で」「どのようなユーザーに対して」「どのようなビジネスモデル・サービス設計がフィットするのか」を多様なシナリオを用いて探究しています。このイベントでは、木見田さんとともに、ビジネスモデルに合わせたサーキュラー戦略の見つけ方や、ユーザーとともに循環を実現していくためのサービスデザインのあり方を探っていきます。
企業でサーキュラーエコノミー推進に取り組んでいる方から、生活者として循環行動の難しさを感じている方まで、「サーキュラー」や「行動変容」「サービスデザイン」のキーワードにピンと来た方はぜひご参加ください!
当日の流れ
19:00~ オープニング
19:05~ 第1部:インスピレーショントーク
– 暮らしのあり方を変える、サーキュラーなサービス事例(メンバーズ・ハーチ)
- 「循環型のビジネスモデル」は本当に環境負荷を減らすのか?(木見田さん)
20:00~ 第2部:クロストーク
テーマ例:
- 「所有から利用へ」のシフトは私たちを幸せにするのか?
- 業種・業界に合ったサーキュラー戦略を見つけるには?
- 生活者による行動変容の限界と、サービスデザインの可能性
20:30~ アフタートーク(登壇者やほかの参加者とお話しいただけます。21時にクローズ予定。)
※変更になる場合がございます
こんな方におすすめ
- 企業のサステナビリティ/サーキュラーエコノミー推進担当者
- 企業で脱炭素型ビジネスモデルへの転換を模索している方
- 生活の中で環境に配慮した行動にトライしているが難しさを感じている方
- その他、気候変動問題やサーキュラーエコノミーに興味がある方どなたでも
イベント概要
開催日時:2025年1月16日(木) 19:00〜21:00(※Zoomオープン 18:50)
開催場所:オンラインZoom(ミーティング機能)
参加費用:無料
参加方法:Zoom ※イベント中レコーディングを行います。参加者の皆さんのお顔や声はレコーディングされませんのでご安心ください。
主催:Climate Creative(ハーチ株式会社・株式会社メンバーズ)
お申し込み:Peatixイベントページよりお申し込みください。
登壇者紹介
木見田 康治(東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 特任准教授)
2011年首都大学東京大学院システムデザイン研究科博士課程修了。日本学術振興会 特別研究員(PD),東京理科大学工学部第二部・助教,東京都立大学システムデザイン学部・助教,東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻・特任講師を経て,2024年より現職。主としてCircular Economy,製造業のサービス化(Servitization,Product as a Service,Product-Service Systems),サービス工学,設計工学の研究に従事。サーキュラーエコノミー特化型創業支援プログラム「Circular Startup Tokyo」アカデミック・アドバイザー。
Climate Creativeメンバー
我有 才怜(株式会社メンバーズ 脱炭素DX研究所 所長)
2017年新卒入社。2018年よりデンマークのデザインコンサルティング会社Bespoke(現:Manyone)の「Futures Design」メソッドの日本展開に従事し、社会課題解決型のビジネスモデルやマーケティング施策の立案・実行支援を担当。2023年4月からは、企業の脱炭素を後押しすべく、Scope3削減事例に特化した「脱炭素DX研究所」の所長を務める。
倉地 栄子(株式会社メンバーズ 脱炭素DXカンパニー)
カナダ政府局(NPO)で難民・移民保護支援活動を経て、メンバーズに入社。デジタルを中心に社会課題解決型のマーケティングやコミュニケーションのプロジェクトプランニングを推進。2023年から脱炭素DXカンパニーに所属し企業の脱炭素事業の支援を開始。趣味は、スノーボード、サーフィン、畑など自然と関わる遊びが好きです。
大石竜平(ハーチ株式会社 IDEAS FOR GOOD Business Design Lab)
ロンドン大学建築学部卒。帰国後は保育業界に飛び込み、子どもの「やりたい!」に基づいた遊びや活動を展開。無類の魚・釣り好きでもあり、世界各地で釣りをする中で海洋ゴミの深刻さを体感。子どもたちの未来にも関わる問題を、子どもたちと一緒に考え、楽しみながら変化を起こしたいと考えている。
小島 弘久(ハーチ株式会社 IDEAS FOR GOOD Business Design Lab)
2020年、IDEAS FOR GOOD Business Design Labにジョイン。サステナビリティ・サーキュラーエコノミーに関するリサーチ、サービスデザイン、社内浸透、プロモーションなど、企業・自治体向けの支援を行う傍ら、ファシリテーションやサーキュラーデザインワークショップなど、サステナビリティ推進のためのプログラム開発を担当。
過去のイベントレポート
- 【イベントレポ】クリエイティビティを引き出す、これからの時代の自然コミュニティ。都市だからこそ生まれる「森づくり」の価値とは?
- 【イベントレポ】アシックスの「カーボンフットプリント世界最少スニーカー」社内外を越境するイノベーションをどうつくる?
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