工事現場で「ウォーリーをさがせ!」子どもたちへの優しい贈り物。グッドニュース5選【2025年11月前半】

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社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン、IDEAS FOR GOODの編集部が選ぶ、今月の「ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース」。前回の記事では、「ジブリやオープンワールドゲームが健康に良い」「人の痛みがわかる技術が登場」といったトピックを紹介した。

日々飛び交う悲しいニュースや、不安になる情報、ネガティブな感情ばかりを生む議論に疲れたあなたに。世界では同じくらい良いこともたくさん起こっているという事実に少しのあいだ心を癒し、また明日から動き出そうと思える活力になれば幸いだ。

愛に溢れた世界のグッドニュース5選

01.世界最大のCO2排出国・中国で明るい兆し。18か月連続で排出量が横ばい〜減少傾向に

世界最大のCO2排出国である中国で、これまでのイメージを変える変化が起きている。2023年以降の分析によると、同国のCO2排出量は過去18か月にわたり、横ばいまたはわずかに減少していることが明らかになった。

背景には、太陽光発電や風力発電の導入が世界でも例のないペースで拡大していることがある。気候変動対策に大きな影響力を持つ中国が前向きな変化を示すことは、世界全体の脱炭素化に向けた確かな希望と言えるだろう。

【参照サイト】China’s CO₂ emissions have now been flat or falling for 18 months|Carbon Brief

02.スコットランド・グラスゴーで公共交通無料の実験へ。1,000人が6週間体験

「お金を気にせず移動できる」。そんな未来を探る実験が、スコットランド最大の都市グラスゴーで始まる。2026年初頭から、約1,000人の市民を対象に、バス・電車・地下鉄を6週間無料で利用できる実証実験を実施する予定だ。

移動コストの負担が大きい低所得者や高齢者にとって、この仕組みは大きな助けとなり、外出のハードルを下げる。一方で、自動車利用の減少による渋滞緩和や、環境負荷の軽減も期待されている。人にも環境にもやさしい都市の形を探る取り組みとして、世界のまちづくりに新たな示唆を与えるだろう。

【参照サイト】The major UK city that will trial free public transport in 2026|Time Out

03.スマホを“寝かしつける”ミニベッド?IKEAが提案する新しいデジタルウェルビーイング

夜、寝る前についスマートフォンを見続けてしまう――そんな習慣をユーモアで乗り越えるアイデアを、IKEA UAEが発表した。それが、スマートフォン専用の“ミニベッド”だ。

この木製の小さなベッドにはNFCチップが埋め込まれており、専用アプリと連動する仕組みになっている。ユーザーがスマホをベッドに置くと記録が残り、7日間連続で7時間以上の“寝かしつけ”に成功すると特典が受けられるのだ。ルールで縛るのではなく、遊び心を使ってデジタルとの距離を楽しみながら整える。テクノロジーとやさしく付き合うためのヒントが詰まったプロダクトだ。

【参照サイト】IKEA ‘Phone Sleep Collection’ tucks phones (and humans) in at night|Campaign

04.工事現場に現れた「ウォーリーをさがせ!」小児病院の子どもたちのためのやさしいサプライズ

次は、時が経っても私たちの心を温めてくれる、2016年のアイデアをご紹介。

アメリカ・インディアナ州サウスベンドでは、ある建設作業員が向かいの小児病棟にいる子どもたちのために、ユニークなサプライズを仕掛けている。 絵本『ウォーリーをさがせ!(Where’s Waldo?)』の主人公・ウォーリー(Waldo)の実物大パネルを、日替わりで工事現場のどこかに移動して隠すのだ。子どもたちは病室の窓から赤白ボーダーの姿を探すのを毎日の楽しみにしている。

特別な予算や設備がなくても、ちょっとした工夫が人の心を温かくする。小さな思いやりが日常に希望を与えるのだと教えてくれるエピソードだ。

【参照サイト】Construction worker plays live ‘Where’s Waldo’ with kids in hospital across the street │ TODAY

05.歯医者嫌いに朗報?歯のエナメル質を“塗って修復する”ジェル

年齢を重ねると、食事や歯ぎしりなどの影響で、歯の表面にある「エナメル質」が少しずつすり減っていく。エナメル質は一度失われると自然には元に戻らず、これまでの歯科治療では削って詰め物をする方法が中心だった。

そんな常識を変えるかもしれない新しい技術が、イギリスの研究チームによって発表された。タンパク質をベースにした特殊なジェルを歯に塗ると、数週間のうちにエナメル質が再びつくられる可能性があるというのだ。ジェルが歯の表面に薄い保護膜をつくり、そこから少しずつ元のエナメル質に近い硬い層が育っていく仕組みである。

まだ研究段階ではあるものの、もし実用化が進めば、加齢によるエナメル質のすり減りや小さなダメージを、もっと負担の少ない方法でケアできる未来がやってくるかもしれない。

【参照サイト】Something in Your Hair Could Make The Ultimate Toothpaste

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