「世界一幸せな国」ランキングで常時上位にいる北欧の国デンマーク。最近、日本で北欧のおしゃれなデザインが人気の影響で、デンマークのライフスタイルに関する情報も書籍やテレビ番組で知る機会が増えてきた。しかし、実は、これら表面的なイメージだけでは知ることのできない、社会を良くするクリエイティブなアイデアがデンマークにはもっとたくさんあるのだ。
ここでは、IDEAS FOR GOODがこの一年間で取り上げた記事をまとめてご紹介し、デンマークの多様な面を深く知っていただきたい。
環境先進国デンマーク
デンマークは、原子力発電がなく風力発電だけで全エネルギーの約40%を賄っている。そのため、環境政策に関する革新的なアイデアが多い。
01.自転車渋滞を防ぐための電子標識
平らな土地を生かし、約半数の国民が自転車に乗っているデンマークでは、自転車専用レーンや駐輪場が完備されている。しかし、自転車が増えるほど自転車の渋滞問題も発生する。そこで自転車のための電子標識が、混んでいない代替ルートや交通事故情報を教えてくれる。
02.スキーを楽しめる火力発電所
国際建築デザイン会社BIGによる、ごみ焼却炉と緑の壁、そしてスキー場が一体化したおしゃれな複合施設が、首都コペンハーゲンでまもなく登場する。環境にやさしい工夫も満載だ。
デザインが地球を救う
03.ファッション性を超えたデザイン
首都コペンハーゲンにあるデザイン博物館には、おもしろいデザインが展示してある。例えば、汚水を清潔な飲料水に浄化する「ライフストロー」や海藻の繊維とリサイクルペーパーで作られたランプ、日本の伝統的素材である竹を利用した自転車を見ることができる。
デンマーク式民主主義から日本が学ぶこと
04.民主主義を身近に感じる政治の祭典
毎年夏にデンマークの小さな島で開催される政治の祭典。そこでは、少数派の意見も取り入れながら議論を積み重ねるデンマーク式民主主義の一部を楽しんで体験することができる。
難民も含めた共生社会へ
05.自宅で難民と交流する「友好的な家」
建築会社であるVenligBoligは、難民と地元の人が一緒に住める住宅を首都コペンハーゲンで運営し始めた。日々の生活の中でより自然に難民と地元コミュニティとの融合を促進するユニークな政策だ。
まとめ
今年2017年は、日本・デンマーク外交関係樹立150周年の記念の年だ。最近デンマークのデザインやライフスタイルが日本でも流行っているが、シンプルさを好むところなど類似点もある両国。「世界一幸せな国」のひとつであるデンマークには、人間も自然も共生できるアイデアがたくさん溢れている。今後もデンマークの動きに注視し、日本が学べるアイデアを紹介していきたい。