【まとめ】社会課題をカッコよく解決する、フランスのソーシャルグッドなアイデア5選

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花の都パリや美食、洗練されたファッションなどで知られるフランスが、近年では環境先進国としても評価を高めていることをご存じだろうか。

2015年12月には首都パリで気候変動に関する国際的な枠組み「パリ協定」が締結されたことは記憶に新しいが、フランスはそれ以外にも新規の建築物の屋上への太陽光パネルまたは植物の設置義務化、大気汚染の抑制に向けた都市部の交通規制、プラスチック袋の使用禁止など、幅広い分野で独自の先進的な環境政策を進めている。

社会課題に立ち向うそれらの取り組みの多くは、芸術的でおしゃれなイメージと違わないフランスならではのクリエイティブさが光っていることが特徴だ。今回は、そんなフランスの先進的な事例に焦点を当てた5つの記事を紹介したい。

もっとクリエイティブなオリンピックへ

01. 勝利をシェアする五輪メダル「The Paris 2024 Olympic Medal」

誰も一人では勝てない。2024年パリ五輪に提案された「シェアできるメダル」


2024年のパリオリンピックに向けて、デザイナーのフィリップ・スタルク氏による「4つに分割できるメダル」のデザイン案が発表されている。

そのコンセプトは「たったひとりでは勝つことはできない」というもの。勝者は自分をサポートしてくれた周りの人々と、勝利の象徴であるメダルを分けることができるのだ。勝利の概念は、個人的ではなく、より集団的で包括的なものだと気付かせてくれる。

国民を守る新しい交通安全のかたち

02.  事故のリスクを減らすカーナビ「The Safest Route」

フランスの保険会社が開発した、最も安全なルートを教えてくれるカーナビ「The Safest Route」


フランスの保険会社Groupamaが開発した「Le Trajet Le Plus Sur(The Safest Route)」は、車を運転するときに「最短ルート」とは別に「最も安全なルート」を教えてくれるカーナビだ。フランス政府が発表した膨大な量の交通事故データをもとに、事故が起きにくいルートを案内することで、人々の交通安全を守っている。

このカーナビの高い信頼性と効果を裏付けているのが政府のオープンデータであるという点で、オープンガバメント(インターネットを活用して政府を国民に開かれたものにする試み)に関する興味深い事例でもある。

環境汚染と正面から向き合う

03. 排気ガスゼロの水上タクシー「SeaBubbles」

パリの大気汚染に歯止めを。セーヌ川を駆け抜ける、空飛ぶ水上タクシー「SeaBubbles」


パリでは、水路を活用したインフラが環境にやさしいとして注目を浴びはじめている。セーヌ川を走る「SeaBubbles」は、バッテリー駆動で排気ガスを出さない水上タクシーだ。最新のテクノロジーで騒音を出さず、水路を使って交通渋滞も防げる水上タクシーは、これからの新しい移動手段になっていくだろう。

04. 道路そのものがソーラーパネル「Wattway」

道路が発電する時代。フランスに誕生した世界初のソーラーロード


フランス北西部のノルマンディー地方にある「Wattway」は、世界初のソーラーパネルでできた道路である。2,880枚のソーラーパネルが敷きつめられたこの道路では、日照時間が多い日には膨大な量の太陽光発電が見込めるため、周辺に暮らす住民の生活に必要な電力をまかなうことができるという画期的なプロジェクトだ。

05. 大気汚染から身を守るスカーフ「Wair」

パリ発、大気汚染の状況をリアルタイムに教えてくれるお洒落スカーフ


日本のようにマスクをつける習慣がないフランスだが、大気汚染による健康被害は同様に問題になっている。「Wair」は、身に着けるだけで大気汚染物質をフィルタリングし、吸い込みを防ぐスカーフだ。

また、スカーフに付けられたデバイスが空気の状態を感知し、リアルタイムで大気汚染の状況をスマートフォンアプリで見ることも可能である。大気汚染への対策をファッションの一部として取り込むという、オシャレなアイデアだ。

まとめ

フランスは2030年までに電力に占める再生可能エネルギーの割合を40%に引き上げるという目標を掲げており、これからもさまざまなクリエイティブな方法で環境保全に関わっていくだろう。また、技術をいかした交通安全や、日本もあと数年で迎えるオリンピックに関するアイデアも、世界の一歩先を行っている。

もともとは「革命」という貴族社会への反抗運動によって近代化した国だ。華やかな見た目の裏で、クリエイティブなアイデアのための泥臭い努力がされているのではないか。これからもドイツと共にEUをリードする存在として、注目していきたい。

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