難解なテック用語を比喩で解説。Googleとワシントンポストが作った辞書

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API、キャッシュ、クッキー。インターネットやテクノロジーが生活に浸透している現代では、仕事やニュースなどでこれらの用語を目にしたことがある人も多いだろう。しかし、これらテクノロジー業界の専門用語の意味を完全に正しく理解している人は一体どのくらいいるだろうか?

テクノロジーは今や私たちの生活のどこにでも存在し、毎日の暮らしをとても便利で豊かなものにしてくれた。一方で、テクノロジーはウイルスやサイバーテロ、ハッキングなど、あらゆる脅威も身近なものにしている。

これらのトラブルを未然に防ぎ、テクノロジーがもたらす恩恵を十分に受けるためには、それらの仕組みを正しく理解するリテラシーが不可欠だ。しかし、実際にはテクノロジーに関する言葉の多くは非常に難解で、例え技術に精通した人でも一般の人々にわかりやすく専門用語を説明するのは難しい。

この現状を打破するべく、Googleのシンクタンク部門Jigsawは、大手メディアのワシントンポストと協力し、テクノロジー用語の定義を簡素化して解説した用語辞典サイト「Sideways Dictionary」を作成した。

Sideway Dictionaryの特徴は、テクノロジー用語に標準的な定義を与えるのではなく、これらの用語の意味を簡単に連想できるような類推やメタファーに変換することで、ユーザーに理解を促している点だ。

例えば、「帯域幅」という用語の定義では「帯域」を誰でもイメージしやすい「道路」に例え、「ラッシュアワー時には、全ての人のために交通が減速する」という類推を用いて説明している。
当初、定義の多くは、デザインライターのNick Asbury氏によって書かれていたが、現在はユーザーも自分で考えた類推を書くことができ、より読者の選択肢を広げることができるようになっている。

ワシントンポストがユーザーの書いた定義に誤りがないかどうかをチェックするが、最終的には読者が「どの定義が最も役に立つのか」を判断するようになっている。

Jigsawのマーケティング責任者を務めるAlfres Malmros氏は、サイバー脅威やデジタル攻撃についての理解を助ける手段として、このアイデアを思いついた。できるだけ簡単に「安全」について伝えるためのベストな方法として類推を見出したのだ。
ワシントンポスト、Malmros氏、そしてJigsawの3者が一緒に作り上げたSideway Dictionaryは、複雑だが大切なテクノロジー情報を求める人にとってうってつけの創造的なプラットフォームだ。

Sideway Dictionaryを使ってみると、一見とっつきにくそうな専門用語であっても、類推やメタファーによってその意味を簡単にイメージすることができる。また、突拍子も無い例えをしているにも関わらず、その用語の意味を的確に表現している定義を見つけると、その定義を作成したユーザーのセンスに脱帽してしまう。理解した用語について、「自分だったらどういう定義をするだろう?」と考えてみるのも楽しい。

その用語の難しさに怯み、十分に理解しないまま使ってしまうと、便利なはずのテクノロジーは恐ろしい脅威にもなりうる。Sideway Dictionaryで楽しみながら身につけた知識は、サイバーテロやデジタル攻撃などの脅威を回避して、これからの社会を安全に生き抜く術として大きく役立つだろう。

【参照サイト】Sideway Dictionary

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