世界的飲料水メーカーであるエビアンは2018年1月、2025年までに100%リサイクルされた再生プラスチックでペットボトルをつくると発表した。Ellen MacArthur Foundationと密な協力をし、プラスチックのリサイクルを増やして、廃棄による環境汚染を減らしたい考えだ。
従来のペットボトルは一度使用したら捨てられる場合がほとんどである。エビアンの場合、リサイクルプラスチック(rPET)は平均で25%程度しか使われていない。しかし、これを100%まで増やせば、プラスチックを新たに生産する必要がなくなる。すなわち、プラスチックは捨てられるゴミから、貴重な資源へと生まれ変わるのだ。この目標を達成するには、ボトルのパッケージデザインの見直しと、他の機関や企業との連携が求められる。
そこで、エビアンは最新テクノロジーを有した企業や政府機関、消費者など、リサイクルを促進しているさまざまな分野の業界とタッグを組み、プラスチックの回収率を上げ、確実にリサイクルし、使い捨てを防いでいる。例えば、 Loop Industriesという会社は、すべての種類のプラスチックをリサイクルし、高品質の再生プラスチックをつくる技術を開発した。
また、エビアンはその知名度を最大限に活用して、ハッシュタグ#herothezeroを2018年に使い始めるなど、消費者のプラスチックのリサイクルに対する関心を引き上げる狙いもある。
エビアンのグローバルブランドディレクターであるPatricia Oliva氏は以下のように語った。「エビアンのパイオニア精神と、持続可能性に関する長期的なコミットメントを土台に、エビアンはプラスチックに関する重大な課題に取り組む。私たちは世界的ブランドとして、ペットボトル産業においてのプラスチックに対するアプローチに変化を生み出したい。」
プラスチックゴミ削減という大きな問題を解決するには、今まで思い浮かばなかった視点をもち、業界や分野を問わない連携や協力が大事になってくるだろう。ペットボトル業界におけるエビアンの先駆的取り組みに期待したい。
【参照サイト】evian® Transforms Its Approach to Plastic to Become a 100% Circular Brand by 2025
(※画像提供:Shutterstock)