世界初、エネルギーもヴィーガンに。イギリス生まれの電力供給

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イギリスの電力会社Ecotricityが、世界初となる「ヴィーガン」での電力供給を開始した。動物の体や、その副産物などを一切使用しない電力である。

「ヴィーガン」は、動物愛護の観点や体質的な理由から、卵や乳製品を含む動物性食品を口にしない完全菜食主義者のことであり、欧米を中心に広がりを見せている。イギリスでは現在、半分以上の世帯がヴィーガンかベジタリアン(菜食主義者)、もしくは家畜が何を食べ、どういった環境で飼育されているかなどの畜産環境について考慮した生活をしているという。

そんな彼らの多くが電力源として選ぶのが、グリーンエネルギーだ。グリーンエネルギーは、二酸化炭素や窒素酸化物などを排出しない、もしくは排出が極めて少ないエネルギーのことで、太陽光、水力、風力、地熱、そしてバイオマスなどがそれにあたる。

しかし実際は、動物の体を含む肉と乳業の副産物を使用したものが“グリーンエネルギー”という大きな枠組みのもと、完全菜食主義者を含む多くの消費者に知らされずに供給されていることが明らかになってきた。

イギリス生まれのヴィーガンの電力供給

昨年末、イギリスの6大エネルギー会社の1つであるSSE社が、“グリーンエネルギー”生産において、スコットランドの養殖場から供給される鮭の死骸を使用していることを認めた。また、ある小規模グリーンエネルギー供給会社は、密集飼育を行う畜産環境のよくない農場のブタの排泄物を使って、エネルギーの一部を生成していた。その他の小規模グリーンエネルギー供給会社も、同様の資源からグリーンエネルギーを供給しているのが実情だ。

Ecotricity社の創立者Dale Vince氏は、「これは違法ではない。しかし、秘密にすべきことではなく、食物成分と同様にエネルギー原料についても明らかにすべきだ。」と語る。

Ecotricity社は、動物に関連する原料から電気またはガスを買わないという方針を長年とっており、イギリスに本拠を置くヴィーガン支援組織「The Vegan Society」に登録されている。そして2018年7月から始めたのが、ヴィーガンでの電力供給だったというわけだ。

The Vegan Societyのビジネス開発部長のChantelle Adkins氏は、こう語る。「動物は、ほとんどの地域で不必要に利用されている。電気も残念ながら例外ではない。完全菜食主義者として、われわれはすべての動物使用を避けるように努めている。エネルギー生産における動物の副産物の使用に注目することで、動物使用が広範囲に及んでいることを認識し、それを避けられるように行動するよう願っている。」

今回発表された、Ecotricity社の世界初となるヴィーガンの電力供給は、多様化する価値観、倫理観に対応する決定だ。サービス内容の供給源をオープンにすることは顧客満足度の向上にもつながり、さまざまな分野において有効だろう。私たちの毎日の生活に欠かせないエネルギー分野でも、これからはサービスの透明化が望まれていきそうだ。

【参照サイト】Animals in energy shock – the secret ingredient in your gas and electricity

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