キャンパスは日本全国!「次世代型大学」で学ぶ、自分らしいコミュニティの創り方

Browse By

人が一定数集まれば、そこには「コミュニティ」が形成される。それは、地域、学校、職場、趣味サークルなど場所は多種多様だ。しかし規模や構成員は違えど、世界のどこにでも存在する。

そんな「コミュニティ」にフォーカスした世界初の「大学」がある。それが、8月1日に開校する次世代型コミュニティ大学である。

今回、その代表を務めるコミュニティマネージャーの坂井氏に、次世代型コミュニティ大学の特徴や魅力、日本にあるおすすめのコミュニティビレッジ・エコビレッジなどについてお話を聞いてみた。

話者プロフィール:坂井 勇貴(さかい ゆうき)


1984年3月生まれ、長野県出身。 “つまらなそうな大人たちが作る社会”に疑問を抱き、ルールを知るために法律専門学校に進学。2015年から、アートとクリエイティブ、リアルとWEBを融合させる「最先端な田舎暮らし」として注目を集めるエコビレッジSAIHATEのコミュニティマネージャーへ。運営や企画立案、メディア戦略、ブランディング、マーケティングなどを担当。2018年7月から日本発のエコビレッジを繋ぎ、「いつでもどこでも」学べるNCU-次世代型コミュニティ大学を開校。

NCU−次世代型コミュニティ大学とは?

NCU−次世代型コミュニティ大学とはなんなのだろうか?どういった活動をし、「大学」に通うとなにが得られるのだろうか?

次世代型コミュニティ大学とは、オンラインとオフラインのふたつの「キャンパス」で構成され、「自分らしさ、居心地の良いコミュニティ」とはなにかを教授やほかの受講生と一緒に議論し学ぶ場所である。

オンラインでは、Facebookグループを利用し、15のコミュニティ代表者が教授となって2日に1回、コンテンツを配信する。メイングループのほかに、衣食住+文化からなるさまざまな分化会で構成される。オーガニック野菜作りやエコエネルギー、DIYなど、それぞれが思いついたアイデアやおこなっている活動をシェアし、アドバイスをしあったり、仲間を募ることもできる。

オフラインでは、実際に日本各地のコミュニティビレッジを訪れ五感を使ってコミュニティについて学ぶ。オンラインで集まった仲間とともに、エコビレッジツアー・合宿を組んだり、ファスティングやメディテーションなど新しいことにチャレンジすることができる。

こういったオンラインとオフラインの活動をとおして、第一線で活躍するコミュニティから生のアドバイスをもらい、ときにはほかの受講生との議論のなかから問題点や気づきを得ることができる場。それが、次世代型コミュニティ大学である。

坂井氏へのインタビュー

自分らしくいられるコミュニティが平和を作る

坂井氏が今回のコミュニティ大学を創設したのは、「生きているうちに世界が平和になってほしい」という思いがあったからだ。

世界を平和にする方法はさまざまある。音楽やアートをとおして平和を訴えたり、ソーシャルデザイナーとしてなにかを創作してみたり。坂井氏の場合は、それが「村づくり」をとおしてだった。

坂井氏一家

そこには大きな理由がある。

自分の家族を大義名分のために犠牲にしたくなかったんです。歴史上の革命家は自分の人生や家族を投げ出して世界を変えてきました。でも自分は家族をもち、子どもを育てたり、最小単位の世界から得る体験や学びをないがしろにしたくなかった。世界平和は家族平和からはじめたい。そのとき両立できると思ったのが、『平和で豊かで恐怖のない暮らし』、つまり『村づくり』だったのです」

「これからはワークアズライフ(work as life)だと思います。村でのコミュニティという土台があることで、暮らし、仕事、遊びがすべてイコールになります。モチベーションがわき、斬新なアイデアも出てきます。熊本にある三角エコビレッジSAIHATE(サイハテ)の暮らしから、自分らしくいられるコミュニティが増えていくことが世界が豊かになる道だと思うようになりました」

仲間に飢えていた

この思いにいたった背景には、人口100人の離島での「失敗」がある。

「鹿児島県の宝島という離島で4年ほど、今でいう地域おこし協力隊として活動していました。宝島は当時人口100人ほどしかいなく、警察官も医者もいませんでした。売店がひとつあるだけの場所でした。そこを島丸ごとエコビレッジにしたい、そうすれば国内外から多数の視察が訪れ町の活性化になるという企画が通り、移住することになりました」

「しかし、村人からは『エコってなに?』『エコビレッジとかいうカタカナを使わないでくれ』といった反応がありました。ある意味当然の反応ですね。多くの情報に触れている若い世代と違い、高齢者の村人の多くは、情報も限られていれば、価値観も思想も異なる」

「よそ者がなにを言っているんだと言われ、相手にされないこともありました。そのとき村づくりは一人ではできないと思い知りました。その体験もあり、僕が見ている世界を理解してくれ、一緒に情熱をかけられる仲間を求めました。そこで熊本にあるエコビレッジSAIHATEに行ってみたら、一緒にやろうと言ってくれる仲間がいた。SAIHATEに移住を決めるのに時間はかかりませんでした」

エコビレッジだけじゃない、これからのコミュニティの可能性

坂井氏は次世代型コミュニティ大学を、会社で頑張っている人、子育て中のお母さん、家族内や地域内のコミュニティ形成で悩んでいる人など、それぞれがもっている知見や成功談、失敗談を集約しシェアする場にしたいという。

そのため、この大学の名前にも「エコビレッジ」という言葉を使っていない。「最初はエコビレッジ大学というのも考えていたのですが、限定的な気がしました。世界を良くしたいと思っている団体はエコビレッジに限らないから、狭めたくないなと」。この思いから、コミュニティというものにフォーカスしたネーミングへと発展した。

次世代型コミュニティ大学では、そもそもコミュニティはどんなものかといったことから、自分が属するコミュニティをもっと心地よいものにするためのメソッドまで、みんなで学びながら、コミュニティ運営者となるプレイヤーを育てていきたいという。

あなたにおすすめのエコビレッジ・コミュニティはどこ?

日本にはいま約30個ほどのエコビレッジがある。エコビレッジといっても、規模ややっている活動、集まっている人はひとつひとつ異なる。どこのコミュニティに遊びに行ったらいいのか悩む人もいるだろう。

そこで今回多くのエコビレッジを見てきた坂井氏に聞いた、「こんな人におすすめ!エコビレッジ・コミュニティ」をご紹介したい。

「旅をするように人生を楽しみたい」リモートワーカーにおすすめのコミュニティは?

・熊本のネオコミュニティ『エコビレッジ サイハテ』

SAIHATEは2011年に1万坪の広大な土地に開村し、現在は約30人の住民のホームとなっている。「お好きにどうぞ」という合言葉のもと、ルールもリーダーもいない村づくりをしている。エコビレッジ界の異端児であるが、その影響力は強く国内外からさまざまな人が訪れる、新時代の村だ。

ウェブサイト:http://village.saihate.com/

エシカル製品やオーガニック食に関心のある人におすすめのコミュニティは?

・マクロビオティックな暮らしが体験できるブラウンズフィールド

千葉県いすみ市にあるブラウンズフィールドは、料理研究家中島デコと写真家エバレット・ブラウンの家としてはじまり、しだいに食を中心として、自然と繋がった暮らしをしたいと考える人が集う場所となった。オーガニック食や日本の伝統食を楽しめる。

ウェブサイト:http://brownsfield-jp.com/

最新のテクノロジーに関心のある人におすすめのコミュニティは?

・多国籍のハッカーが集まるハッカーファーム

千葉県鴨川の里山に位置するハッカーファームは、「ハッカー」(=DIYやものづくりなど)の文化と、地方や田舎にある豊富な自然資源や文化的資源を融合させ、楽しみながら地域及び社会に貢献するための場である。IT技術をもった外国人クリエイターが多数住み、IoTを活用した米作りなどAgriTech(アグリテック)のユニークな活動をしている。

ウェブサイト:https://hackerfarm.jp/
【関連記事】人と人のつながりが分断された今、千葉の集落から学ぶ5つのこと

クリエイターやアーティストにおすすめのコミュニティは?

・都会で広がる拡張家族 – Cift

渋谷のど真ん中にある、シフトと呼ばれる拡張家族。「ともに暮らす、ともに働く」をコンセプトに価値観でつながり共に生きていく生活共同コミュニティだ。弁護士からエンジニア、フードアーティスまで、100以上の肩書き・拠点をもつ50人ほどのメンバーで構成されている。

ウェブサイト:http://cift.co/

国際問題に関心のある人におすすめのコミュニティは?

・イマジン ― 争いのない幸せな世界の作り方を学べるアズワンネットワーク鈴鹿コミュニティ

三重県にあるアズワンネットワーク鈴鹿コミュニティは、2001年からはじまった。ジョン・レノンの「イマジン」の歌詞から名前をとったこのコミュニティでは、3年間ブラジルでのコミュニティづくりに関わった経験者がリーダーを務め、思想や価値観を共有している人たちが暮らしている。

ウェブサイト:http://as-one.main.jp/HP/index.html

子育て中の人におすすめのコミュニティは?

・“感じる・繋がる・開く”がコンセプトの「屋久島ソウルナビゲーション」Earth tribes

鹿児島県の屋久島にあるアーストライブズ。薬草研究や染などの体験、屋久島の自然のなかでのリトリートなどを企画している。森・川・海の大自然をフィールドとして、子どもと一緒に五感を使って遊べる場になっている。

ウェブサイト:https://www.earth-tribes.com/

編集後記

「エコビレッジ」と聞くと、都会の生活から離れ自然のなかで暮らすようになったヒッピー的な狭いコミュニティを想像する人もいるかもしれない。しかし、今回のNCU−次世代型コミュニティ大学の最大の特徴のひとつは、そういったエコビレッジに限らず、「コミュニティ」といったものにフォーカスしている点だ。

世界中どこで暮らしたとしても人間の生活とは切っても切れない「コミュニティ」。コミュニティ内で新しいことにチャレンジし楽しく充実した時間を過ごせれば、一度きりの人生はもっと豊かになる。一人でできることには限界があるが、世界のどこかにはあなたのアイデアに賛成してくれる仲間が必ずいる。そんな仲間と出会いともに学べる場所が、次世代型コミュニティ大学だ。

あなたも日本中のエコビレッジやコミュニティを訪ね、自分らしいコミュニティの作り方を学んでみてはいかがだろうか?自分らしい人生を歩むためにも。

【参照リンク】NCU−次世代型コミュニティ大学