農家からそのまま消費者へ。パッケージフリーな食材を手に入れるゼロ・ウェイスト・マルシェ

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世界で広がっているプラスチック禁止ムーブメント。環境に対する意識が高く、問題解決に積極的に取り組んでいるヨーロッパだけでなく、世界の至るところでプラスチックを禁止する法案や、プラスチック製品の使用を控える企業が増えている。

しかし、私たちの住む日本ではプラスチック汚染に関する危機感が他の国と比べると低いと言われている。実際に諸外国では買い物をするときのレジ袋が有料である場合がほとんどであるのに対し、日本ではコンビニやスーパーで無料でもらえることが多い。

また、日本で野菜や果実を買おうと思うと、プラスチックから逃れられない。店頭に並ぶナスやピーマンは袋づめで販売されていることが多いからだ。

ヨーロッパなどでは、野菜と果実は、買い物客が自分がほしい食材をほしい分だけ、自ら袋にいれる量り売りスタイルが主流である。そのため、布製の袋を持参すればプラスチックフリーな買い物をすることができる。

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ヨーロッパやアメリカでは人気インスタグラマーなどの影響もあり、この例のようなZero Wasteな暮らし方が、じわじわ浸透しつつある。ゴミを一切出さずに生活するゼロ・ウェイストの行動は、Reduce(ゴミを減らす)やRefuse(ゴミになるパッケージなどをもらわない)というとても単純な取り組みである。

ゼロ・ウェイストが東京に上陸

そしてついに、ゼロ・ウェイストの波が東京・渋谷にやってきた。今年9月16日に開催された100 BANCH STREET !! というフェスティバルに Zero Waste Marche という企画が登場したのだ。

Photo by Risa Wakana

東京の青梅で無農薬の野菜を育てる Ome Farmと埼玉の飯能でオーガニックの食品ブランドを営む Alishan Organic Center が出店し、パッケージフリーのマーケットを開催したのだ。包装されていないオーガニックのお菓子が食欲をそそる。

店頭に並ぶのは文字通り、パッキングされていない野菜や果物。初物のカキやクリも販売されていた。Ome Farmは都心から一時間程度のところにある東京都青梅市で、「本当に安心できるものを都心近郊でつくる」という目標を掲げ、西洋野菜や日本の伝統野菜を有機農法で栽培している農家だ。

農薬や化学肥料を一切使用せず、自然の力と知恵を最大限に生かして育てているこだわり野菜は人気が高い。当日販売されていたナスの形や大きさはさまざまで、自然の証であるキズがあるものもあるが、品質は変わらない。

この日、販売されていた真黒茄子は5本で300円。筆者が普段買い物をしているスーパーでは、群馬県産のナスが5本で297円だった。値段はほぼ同じだが、Ome Farmが売る野菜は「安心」という付加価値がある。

Photo by Risa Wakana

日本でプラスチックを削減する方法は?

Ome Farmの太田さんにお話を伺うことができた。

通常スーパーに卸される野菜は、「すべて同じ」形や種類でないといけないそう。そのため品種の掛け合わせをして、必ず決まった品種が育つようにしている。一方Ome Farmでは、品種の掛け合わせをしていないので、「どっちが出るかわからない」という。笑顔で農業の楽しさを語ってくれた。

販売する側の農家がプラスチックでパッケージをしてから出荷するのは「湿度を保つためである」という。

実際に店頭では太田さんがナスに霧吹きで水を吹きかけていた。

「農家にとって鮮度を保つためにプラスチックは必需品であるともいえますね。うちは直接レストランとかにも野菜を届けているんですけど、お店によっては『新聞紙でいい』とおっしゃる方もいますし、きちんと包装してほしいなどまちまちですね」と気さくに語ってくれた。

では、私たちが日々の生活の中で、少しでもプラスチックを削減するにはどうすればよいのだろうか。

まず、「葉物など、包装なしで出荷しているもの」を選んで購入するのも手であると太田さんはいう。私たち一人ひとりの小さな選択が、あらゆる方向から社会に影響を与えるのだ。

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また、ファーマーズ・マーケットや直売所に赴いて、直接農家の方から新鮮な食材を購入することもプラスチックを減らすのに良い方法だ。生産者の方の顔を見て、農家の方の思いや、自分が食べる食材のストーリーを聞くことができるのは非常に興味深い。忙しい人はOme Farmでもおこなっている宅配サービスで旬の野菜を届けてもらうのもよいだろう。

近年、ファーマーズ・マーケットが象徴するような、地産地消に注目が集まっているが、環境面・経済面からそれが社会に良い影響を与えるのは間違いない。地元経済の活性化にもつながるし、輸送中の製品の劣化を防ぐために必要になってくる包装なども削減できる。まさに、良いことづくしだ。

「東京にも広大な自然があり、そこで育てられた野菜を新鮮なうちに地元(東京近辺)の皆様に味わっていただくことがOme Farmの願いです。また、青梅産の野菜を都内のレストランやマルシェを通して、より多くの方に知っていただくことで、地域の活性化に繋がると信じ、農耕を通したまちづくりを目指しています」

強い意思がOme Farmのホームページから伝わってくる。

Photo by Risa Wakana

イベントを終えて

包装されているものに慣れてしまっている私たちがすぐに完全なパッケージフリーな生活に移行するのは難しいだろう。しかし、少しこだわって、自分にも、世界にも丁寧な行動を重ねていくと、だんだんと社会課題が解決していくのではないだろうか。

【参照サイト】Ome Farm
【参照サイト】100 BANCH