世界プロサーフィン連盟が男女の賞金格差を撤廃へ

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職場での女性の権利を訴える動きが、スポーツ界にも訪れた。この程、世界プロサーフィン連盟(以下WSL)が2019年のシーズンからサーフィン大会での男女の賞金額を同額にすると発表したのだ。

そもそも、元々男女同額じゃなかったの?と思われた方も多いかもしれない。そう、実はサーフィンの大会においては男女の賞金額にかなりの差がある。2018年7月のサーフィンのプロジュニア大会で、男子の優勝選手が8000ランド(南アの通貨)を獲得しているのに対し、女子の優勝選手は4000ランド、という賞金額をかかげた写真がソーシャルメディア上で拡散され、多くの人の批判を浴びたのだ。

男子選手の賞金が女子選手の2倍。これには出場選手数の違いや、観客数の違いが影響していると世界プロサーフィン連盟(以下WSL)は説明しているが、それにしても格差を露呈する格好となってしまった。

性別に関わらず賞金額を同額にするという今回の決定は、そんな流れを汲んだものである。この賞金額が適応されるのは、2019年のシーズンからだそうだ。WSL主催のすべてのチャンピオンシップツアー、ロングボードツアー、世界ジュニア選手権大会、そして2018年10月1日から2019年3月まで開催するビッグウェーブツアーが含まれている。

また、2019年からは女子サーフィン界を強化するための、3つの施策も発表された。

  1. 女子選手のツアー開催。イベント視聴率とファンエンゲージメントを高めるためのグローバルマーケティングキャンペーン
  2. 世界中の女の子向けの地元コミュニティ参加プログラム。サーフィンを次世代に繋いでいくために、各女性選手権ツアーでWSLアスリートから指導を受けられるワークショップを開催
  3. WSLチャンネルを通し、サーフィン界のパイオニア女性をフィーチャーしたコンテンツシリーズ配信

これらの決定に対し、関係各所からは称賛の声が上がっている。

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世界チャンピオンを6度制覇している女子サーファー、ステファニー・ギルモア選手は「本当に衝撃的なニュースでした。女性サーファーへの待遇はだんだん良くなってきているけれど、今回の決定はもう一段階上を行きましたね。この決定が他のスポーツや世界中の組織、社会全体にとってのモデルになることを願っています。私を含む女子アスリートのみんなはこの決定を光栄に思っているし、額に値するような素晴らしいサーフィンをしないと、と意気込んでいます。」と興奮気味にコメントしている。

男子サーファー界のキングであるケリー・スレーター選手も、「サーフィンがスポーツ界を平等と公平さでリードしていくことを誇らしく思います。女子アスリートも男子アスリート同様に努力を重ねており、同額を授与すべきなのは明白です。サーフィンは常にスポーツのパイオニアであって、今回の決定はそれを証明する例になりましたね。」と、この決定を歓迎しているようだ。

あまり知られていないが、男女の賞金格差は多くのスポーツに存在する。たとえば、サッカーW杯では男女間で19倍の格差があり、女子サッカー選手たちが改善を訴えているといった事例だ。

WSLのこの決定は、今後スポーツ界の賞金不均衡を是正する布石になるのだろうか。今後のスポーツ界の動きに注目していきたい。

【参照サイト】The World Surf League (WSL) Announces Prize Money Equality