大学生の経済負担を減らす、教科書の定額ストリーミングサービス「Perlego」

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日本で幼稚園から大学までに要する教育費は、すべて公立なら約1,000万円、すべて私立なら約2,500万円だといわれている。

とりわけ大学4年間は、私立なら少なくとも450万円の学費がかかるだけでなく、教科書も学期が変わるたびに買い直さなくてはならない。いま少子高齢化が大きな課題だが、人々が子供を育てるうえで大きな金銭的負担になるのが、この教育費なのだ。

海外の例を見てみよう。イギリスでは、公立では英国籍を持つ者の授業料は無償だったが、近年では条件付きで有料化している。それ以外にも、平均で毎年約440英ポンド(約6万5,000円)を教科書だけに費やしており、英国民としては教育の金銭的負担が大幅に増えているという印象だ。

一つ一つの値段も安くない大学の教科書。この費用を削減するために、英スタートアップのPerlegoが教科書のストリーミングサービスを始めた。サービス名は社名と同じ「Perlego」。毎月定額の12 英ポンド(約1,800円)で、数十万冊に及ぶデジタル版の教科書を閲覧できるサブスクリプション(購読)モデルを提供している。

2人の若者、ゴーサー・ヴァン・マルデレン氏とマシュー・デイビス氏によって設立されたPerlego。彼らが目指すのは、教科書のストリーミングサービスの普及と確立だ。

Spotifyのような音楽ストリーミングサービスと同様に、Perlegoはシンプルなサーモデルを維持し、英国内の約650の出版社と提携している。

Perlegoと提携する出版社は、利用者が教科書を読むことで手数料を受け取る。さらに書籍の読者に関するデータ収集、著作権侵害の減少、さらに売り上げを減少させる古書の減少というメリットが出版社側にもたらされる。

利用者である学生はまず、どの教科書が読めるのかを登録前に確認してから、サービスを始めることができる。そして月額料金を払うだけで、サイト上の書籍が読み放題になるのだ。購読自体もいつでもキャンセル可能である。

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現時点では、書籍はオンラインで読む必要があり、Kindleのようにダウンロードすることはできない。しかし、Perlegoは現在多くのベンチャーキャピタルやエンジェル投資家などから資金調達を行っており、iOS版とAndroid版のアプリを開発中だ。このアプリは、音声認識機能と、ユーザーがワンクリックで引用を作成できる参照ツールも備えているという。

ストリーミングサービスは、音楽、テレビ番組、映画などのエンターテイメント分野で非常に成功を収めている。若者の伝統的なメディア離れが進んでいる流れを考えると、教科書のストリーミングは、世界規模で教育へのアクセスを作る大きな可能性を秘めている。

また、学生が定額で多くの教材を読むことができるようになれば、経済的負担が軽くなるだけでなく、さまざまな知識へのアクセスにもつながる。こういったサービスが普及することで、多様な知識を持った視野の広い人材が育つ土壌ができてくるだろう。

【参照サイト】Perlego