青果版フランス革命?大手スーパーカルフールが開く「規格外野菜のブラックマーケット」

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地元の農家が集まる小さな市場に行くと、個性あふれる野菜や果物が並んでいることがある。普段スーパーで見かけるものとは形が違うが、食すると自分が慣れ親しんだ味が嘘かと思うほどおいしくて、驚いた経験はないだろうか。

生産のときに一定数出る規格外の野菜は、良質にもかかわらずその多くが廃棄されている。ヨーロッパの多くの国では、出荷する野菜のサイズが法律によって厳しく定められているからだ。スーパーなどの公式カタログにある承認された品種しか栽培できず、発育状態や形状を均一にするための化学薬品を用いるということが、農業の現場で起こっている。

パリ近郊に本社を置き、フランス全土、そしてヨーロッパ各地に進出している大手スーパーマーケットのカルフールが、生産された97%の青果が「違法」扱いになっている現状に疑問を投げかけるべく、少し過激なプロモーションを展開した。スーパーの一角を黒一色で染め抜き、「違法」な規格外野菜を売るブラックマーケット(闇市)を演出をしたのだ。

カルフールの闇市

Image via Carrefour

そのキャンペーンポスターに掲載される農家の人々は、黒の背景をバックにアウトローな雰囲気をまとっている。たとえばレネ・レアさん。彼は「違法なバターナッツスクワッシュ(かぼちゃ)を作りだしたゴッドファーザー」だ。

カルフールの闇市

Image via Carrefour

このブラックマーケットに並ぶのは、普通のスーパーではあまり目にすることがない、不揃いだけどおいしそうなカボチャやトマトたち。化学薬品によって成長度合をコントロールされず、廃棄もされなかった野菜だ。

カルフールの闇市

Image via Carrefour

そもそも、自然のものがすべて同じ形に育つ方がおかしい。いびつなのはニンジンでもピーマンでもなく、法律の方だ、というのがカルフールのメッセージである。大手企業になればなるほど、グレーゾーンを避けたがる。かつてはカルフールもそうだった。しかし、食に人一倍こだわりのあるフランスのスーパーだけに、この不条理に我慢がならなかったのだろう。

カルフールは、サステナブルな食材を供給するネットワークを構築するために農家と5年契約を締結し、法律改正を請願する署名活動を行った。その結果、85,000以上の署名がすぐに集まったという。

八百屋1軒、2軒の規模で行えば、摘発されて終わってしまうかもしれない違法行為も、これだけ大手のスーパーが大々的にキャンペーンを展開し、消費者からも絶大的な支持を得てしまったものだから、行政も重い腰を上げ、ついにはEUの法律を改正するに至った。

カルフールの大胆なキャンペーンのもとに集まった人々の情熱は、まるで抑圧的社会から自由になるために立ち上がったあのフランス革命の志士のようだ。スーパーの呼びかけに大勢の市民の力が結集し、もたらされた勝利だった。

【参照サイト】Black Supermarket