「車を持ち運転できる人」と「車で移動したい人」両者にとって好都合なライドシェアサービスが世界各地で注目されている。車を持っている人なら空き時間を使って収入を得ることができ、利用者は一般的なタクシーよりも割安で移動することができるのだ。しかし一方で、車よりも公共交通機関の方が輸送あたりのCO2排出量が少ないことから、車を使わないまちづくりに取り組む自治体も少なくない。
車の環境への影響が考慮されるようになってきたいま、アメリカでUberと並ぶ大手ライドシェアサービスLyft(リフト)が、配車の際にEV(電気自動車)またはハイブリッドカーを呼び出すことができる「グリーンモード」を導入することを発表した。
Lyftは新たに何千もののEVを導入し、それらの充電も100%再生可能な電力でまかなう予定だ。そして、車を所有していない人でもLyftで稼ぐことができるEVレンタルプログラムを始める。EVは従来の車よりもはるかに燃費が良く、電気はガソリンよりも安いため、一般的な走行コストはガソリン車の半分になる。低燃費で運用費もあまりかからないため、運転手も従来のライドシェアと比較して、月に数百ドル、そして年に数千ドルを節約することができると予測されている。
Lyftが環境に配慮した取り組みをするのは、実はこれが初めてではない。以前から、ライドシェアサービスによって発生するCO2を相殺するために、カーボン・オフセットに数百万ドル規模の投資をすることを表明していた。
目先の自社利益だけでなく、社会の利益を考え行動するLyft。「グリーンモード」で稼げるシステムを確立することでEVが広く利用されれば、大気汚染が減り、より住みやすい都市をつくることにも繋がる。今後、アメリカでLyftのロゴが入ったEVを目にする日もそう遠くないだろう。
【参照サイト】Lyft’s new ‘Green Mode’ lets riders request an EV
【参照サイト】Making Cities More Livable with Electric Vehicles
【参照サイト】輸送量あたりのCO2排出量データ