使用済み家電で100%リサイクルのメダルを。2020東京五輪が行う世界初の試み

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いよいよ来年に迫った2020年東京オリンピック。日本中が期待と希望で満ち溢れているが、同時にさまざまな議論を巻き起こし、ポジティブな面でもネガティブな面でも注目を集めている。しかしその裏で、持続可能な社会を目指す、とあるプロジェクトが着々と進行していることは、あまり知られていない。

「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」と銘打たれたこのプロジェクト。これは、使用済み携帯電話等の電子廃棄物から、東京オリンピックでアスリートに授与されるメダルを製作しようという試みだ。

携帯電話のほか、パソコン、デジカメ、ゲーム機、ドライヤー等、さまざまな使用済み家電を、全国の参加自治体に設置された回収ボックスや、宅配等により回収。回収された家電は、小型家電リサイクル法の認定事業者によって分解・選別処理をされ、精錬事業者により金・銀・銅を抽出した後、メダルの製造に使用される。

このプロジェクトにより、東京オリンピック・パラリンピックで使用される金・銀・銅合わせて約5,000個のメダルが100%リサイクルで製作される予定だ。プロジェクトは2017年4月に開始され、2018年10月までの回収分で、金28.4㎏、銀3,500㎏、銅2,700㎏を確保。メダル製作に必要な金属量を確保できる見通しとなったため、2019年3月31日で回収受付を締め切るようだ。

メダル製造に必要な金属の確保状況(プロジェクト開始から2018年10月までの回収分)

メダル製造に必要な金属の確保状況(プロジェクト開始から2018年10月までの回収分) Image via Tokyo Olympic 2020

東京2020組織委員会によると、過去にもメダルの原材料の一部にリサイクル金属が含まれた例はあったものの、このように国民が参画し、メダル製作を目的に小型家電の回収を行い、集まったものから抽出された金属でメダルの製作を行うというプロジェクトは、今回が初めてだという。

リサイクルにより廃棄製品の循環に貢献できることはもちろん、わたしたち国民ひとりひとりが参加できるという点がこのプロジェクトの特徴だ。自分の提供した携帯電話がメダルとして生まれ変わり、アスリートの首にかけられる。オリンピックの感動もひとしおだし、このプロジェクトが広まることによって、今後の環境問題への取り組みに対する意識も少しずつではあるが変わっていくことだろう。

せっかくの日本開催のオリンピック、みなさんもこんな方法で参加してみてはいかがだろうか。

【参照サイト】「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」にこれまでご協力いただきありがとうございます!回収受付は2019年3月31日(日)まで!
【参照サイト】「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」について

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