イギリスのデザインスタジオGomiが、廃棄プラスチックからポータブルなBluetoothスピーカー「Gomi Speaker(ゴミ スピーカー)」を開発した。
廃棄プラスチックによる海洋汚染は、世界でも深刻な問題となっている。イギリスだけで毎年、3億キロものやわらかいプラスチック(LDPE)が廃棄されているという。そこで、Gomi が廃棄プラスチックを価値あるものに変えようと開発したのが、Gomi Speakerなのだ。
Gomiの創立者トム・メデス氏は、「私たちは、cradle-to-cradle(ゆりかごからゆりかごへ)のデザインプロセスに感銘を受けた。このスピーカーで、通常は埋立てや焼却処分される“ゴミ”の流れを変えたい。LDPEはイギリスではリサイクルできないと考えられており、利用するにはぴったりな材料だ。革新的なデザインによって、これを価値あるものに変えたい。」と述べている。
スピーカーは、プラスチックを主成分とする人工大理石製の3モジュールで構成され、伝統工芸技術とデジタル製造を組み合わせた。音質もとても良いという。スピーカー1台につき、ビニール袋約100枚分のプラスチックが使われている。
そして、Gomiには目指すものがある。自社製品の無料修理と、リサイクルのための無料返品だ。Gomiの製品はモジュール方式で構成されているため、簡単に分解できる。素材の品質を損なわずに、プラスチックを溶かして新製品のための部品をつくることができるのだ。
現在Gomiは、プラスチックを大量に廃棄する、イギリス・サセックス地方の主要な食品卸売業者と提携を結んでいる。また、一般家庭や地元店舗からの廃棄プラスチックも受け入れるなど、プラスチックゴミの回収に努めている。
現在、生産プロセスをさらに拡大するため、Kickstarterでクラウドファンディングも行っている。スピーカーの他に、同じゴミ素材で作られたスマートフォンのモバイルバッテリーやエコバッグなどもリリースする予定だという。プラスチックゴミからつくるクリエイティブなスピーカー。とても画期的な試みだ。
【参照サイト】gomi
【参照サイト】Kickstarter – Portable Speaker Made From Plastic Waste