輸送のCO2を大幅削減へ。トヨタと日野、水素で動く燃料電池大型トラックを共同開発

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トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)と日野自動車株式会社(以下、日野)が2020年3月、燃料電池で動く大型トラックを共同開発し、実用化に向けた取り組みを進めていくことを発表した。

燃料電池自動車は水素を燃料とし、CO2排出がゼロで燃料補給も短時間でできることから、いま便利でクリーンなモビリティとして注目されている。次世代自動車振興センターの発表によると、2019年12月時点で112カ所の水素ステーションが日本全国で整備されているそうだ。

トヨタと日野は、環境問題を経営の重要課題のひとつとして位置づけ、2050年までに走行中のCO2排出量の大幅削減を目標として掲げている。そして水素を将来の有力なエネルギーとみなし、2003年の燃料電池バスの共同実証から15年以上にわたって、燃料電池商用車の技術開発および普及促進を行ってきた。今回の開発も、国内商用車全体のCO2排出量のうち約6割を占める大型トラックの環境性能を大幅な向上させる必要があると考えたからだ。

トヨタ自動車

(c) トヨタ

両社が共同開発する燃料電池大型トラックは、日野の大型トラック「日野プロフィア」をベースに、両社の技術を最大限に活かして開発していく。車のフレームは特別設計し、軽量化して十分な積載量を確保。パワートレインにはトヨタの次期「MIRAI(=トヨタの燃料電池自動車)」用に新開発されるトヨタFCスタックを2基搭載し、日野の大型車ハイブリッド技術を応用した車両走行制御を組み合わせる。航続距離は600kmを目標とし、環境性能と商用車としての実用性の両立を図っていくという。

トヨタは2020年2月にも船舶向けのコンパクトな燃料電池システムを開発し、フランスの「エナジー・オブザーバー号」に搭載するなど、自動車以外の燃料電池システムの開発にも力を入れている。

エナジー・オブザーバー号

(c) トヨタ

トヨタと日野は今後、水素社会の実現に向けてともに取り組んでいく意向を表明している。クリーンで実用性の高いモビリティのこれからが楽しみだ。

【参照サイト】トヨタと日野、燃料電池大型トラックを共同開発
【参照サイト】水素ステーション整備状況
【参照サイト】トヨタ、船舶向けに初の燃料電池システムを開発し、フランスの「エナジー・オブザーバー号」に搭載
【参照サイト】Toyota advances towards a hydrogen mobility future with second generation Mirai

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