家庭やレストランなどで、食べ残しなどが理由で廃棄されてしまう「食品ロス」がどれほどの量かあなたはご存じだろうか。その量は年間で643万トン(平成28年度推計)であり、食品廃棄全体の4分の1を占めている。これは実に毎日大型トラック約1,700台分もの食べ物を捨てている計算だ。この食品ロスのうち、約45%が家庭から廃棄されており、政府も家庭からのロスを出来るだけ減らすよう注意喚起を行っている。
とはいえ、具体的な対策は一人ひとりの努力に任せられているため、普段の食生活をどのように変えればよいのかわからない人も少なくないだろう。自身の食生活の傾向を把握し、食材の買いすぎを減らすにはどうしたら良いのだろうか。
この問題を解決しうる画期的なプロダクトが、海外のデザイナーにより生み出された。その名も「Bubble」。カプセルのような形をしたこの装置は、中に入れた食材の情報をスマホアプリに伝達してくれるフードトラッカーである。
食材の情報はトラッカーが自動で読み取ってくれるため、買ってきた食品名をいちいち手動で入力する必要はない。また、外出先でもスマホから自宅にある食材の在庫を手軽に確認することができ、買い物のたびに冷蔵庫の中身を思い出そうと奮闘しなくて済むようになる。また、トラッカーには普段多く消費する食材やあまりがちな食材を計測し、食材の消費傾向を分析する機能もある。これらの情報をもとに買い物を行うことで、食材の買いすぎを防ぎ食品ロス軽減につなげることができるのだ。
必要な作業は食材を「Bubble」に入れてスマホを確認することだけ。普段の食材管理をここまでシンプルにできるアイデアがあったであろうか。
この「Bubble」は、食材管理や食品ロス軽減というテーマにおいて「情報の把握と共有」が鍵となるということを如実に表している。家にある食材やその分量が把握できていれば買いもれ・買いすぎを防ぐことができるし、その情報を家族と共有できていれば同じものを何個も買って来ずにすむ。買っても余らせてしまう傾向がある物は少なめに買うという工夫もできるだろう。
スマートフォンと連動し、効果的に食品ロスを減らす手伝いをしてくれる「Bubble」──IoTの力を利用した食品ロス対策が進む未来に期待が膨らむばかりである。
【参照サイト】Altino Alex.
【参照サイト】もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう| 政府広報オンライン