あなたのエシカル消費をお手伝い。フランス発、価値観に合った商品を教えるアプリ「My Label」

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今、世界では、人や社会、地球環境に配慮した買い物、すなわち「エシカル消費」が広まりつつある。この価値観が特に大きな広がりを見せているのはヨーロッパだ。

例えば、1980年代に雑誌“Ethical Consumer”が発行され、「倫理的消費」という言葉を生むこととなったイギリス。2019年時点でエシカル消費の市場規模が440億ポンド(日本円で約6兆円)に達しており、紅茶の80%、粉コーヒーの50~60%、チョコレートの50%、バナナの33%がエコラベル、フェアトレード、オーガニック等何らかの倫理的消費の第三者認証を受けている(2017年時点)。

このように倫理的商品が身近に多く存在する地域でも、エシカル消費をするにあたっての課題は残る。一口に「エシカルな商品」と言っても、フェアトレード、オーガニック、公正な賃金、児童労働の禁止など色々な基準があり、どの基準で生産されたものかを確認するためにはラベルから判別するしかない。だが、多種多様なエシカル・ラベルが市場に流通するようになり、消費者にとってどれがどのラベルなのか分かりにくくなってしまったのである。

様々な認証ラベルのついた商品

Image via Unsplash

こうしたエシカル消費への障壁を取り払うアプリ「My Label」がフランスにて登場した。こちらのアプリには、「公正な賃金を支払っている企業かどうか」「商品にパーム油が含まれていないか」のように、環境、社会、健康などにまつわる20の倫理的基準がラインナップされている。その中から自分が大切にしたい価値観を選んでアプリに登録し、アプリで商品のバーコードを読み取ると、自分の登録した価値観に合致しているかどうかを確認することが出来るのだ。価値観に適合している商品だった場合には、アプリの画面に緑色の笑顔マークが表示される。

MyLabelアプリ

Image via MyLabel

MyLabelアプリ

「My Label」アプリは、AndroidでもiOSでも無料で利用可能。2019年4月にアプリをローンチして以降、アプリのデータベースには500,000以上の商品が登録されている。現在のところフランス語のみでのリリースとなっている。|Image via MyLabel

 
MyLabelの開発担当者は、「エシカル消費を手軽にすることで、人々の買い物習慣をより良く変えること」「消費者が大切にしている価値観を共有する生産者を支援しやすくすること」がアプリ開発の目的だと語る。アプリ発祥の土地フランスでは、2023年より非食品の売れ残り製品の廃棄を禁止する法案が導入される予定。MyLabelは、これからの人々の責任ある消費をサポートしてくれる心強い味方となることだろう。

日本の消費者庁が実施した、全国の15歳から65歳までの2500人を調査対象としたウェブ調査(2016年)では、「倫理的消費」、「エシカル」といった用語の認知度は1割未満となっていた。だが、言葉を知らないだけで気づかぬうちにエシカルな商品を手にしていることもあるのではなかろうか。「My Label」のような自分、社会、地球に良い買い物スタイルを支援してくれるアプリが普及することで、エシカル消費そのものに弾みがつくことを期待したい。

【参照サイト】MyLabel
【参照サイト】海外における倫理的消費の動向等に関する調査報告書
【参照サイト】UK Ethical Consumer Markets Report
【参照サイト】「倫理的消費」調査研究会取りまとめ ~あなたの消費が世界の未来を変える~
【参照サイト】非食品の売れ残り製品の廃棄禁止法案を準備(フランス)

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