車の部品を洋服に。ヒュンダイのアップサイクル「Re:Style 2020」

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長い間使われ、役目を終えた自動車は、実はそのほとんどがリサイクルに回されていることをご存じだろうか。たとえば日本の場合、2000年頃には使用済自動車全体の83%がリサイクルされており、自動車リサイクル法が施行された後の2014年には約99%がリサイクルされたと推計される。

しかし、使用済自動車のうちリサイクルされているのは、ほとんどが鉄や非鉄金属などの素材だ。それと比べると革、ガラス、エアバッグといった部分はリサイクルが進んでいない。

韓国の大手自動車メーカーであるヒュンダイは、こうしたリサイクルされにくい自動車の素材を、ファッション製品にアップサイクルする取り組み「Re:Style 2020」を始めた。

Hyundai

Image via Hyundai

同社はRe:Style 2020を実施するにあたり、6つのファッションブランドとコラボレーションした。できあがったファッション製品は、エアバッグ生地を再利用した花柄のコルセット、シートベルトウェビングやカーペット生地などからできたトートバッグ、デニムや革の切れ端を使ったジャンプスーツ、車のガラスや金といった素材を再利用したアクセサリーなど様々だ。

これらの製品は2020年10月半ばから、イギリスの高級百貨店であるセルフリッジズに出店されたポップアップストアと、そのオンラインストアで販売されている。製品の販売は、セルフリッジズのサステナブルキャンペーンである「Project Earth」の一環として行われる。同百貨店は2020年8月に、取り扱い商品を持続可能な素材に限定する方針を発表しており、環境保全に積極的に取り組んでいる。

ヒュンダイの副社長であるウォンホン・チョ氏はRe:Style 2020について、プレスリリースで次のように語る。

「ポストコロナの世界では、お客様にとってエシカル消費や環境への配慮がより一層重要になるでしょう。私たちはRe:Style 2020を通して、皆様がサステナブルな暮らしを楽しむ一助になりたいと思っています。」

ヒュンダイは、電気自動車の革新的なラインナップを提供することで、2025年までにゼロエミッションとクリーンモビリティの世界的リーダーになることを目指している。長い年月を経てもなお踏みとどまる、決定的な価値を持つモノとはどのようなものなのか、改めて考えてみたい。

【参照サイト】 Hyundai Motor Reimagines Future of Sustainable Design and Lifestyle at Re:Style 2020 Collection
【参照サイト】 自動車リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書

Edited by Erika Tomiyama

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